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とらわれない

五木寛之/著

792円(税込)

発売日:2016/11/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

心に、自由の風を吹かせよう。「とらわれ」をときほぐす34話。

明るい話は少ない。人間関係は薄くなる。超高齢化は止まらない。モノや情報はあふれても幸福感は得られない……そんな時代でも、心に自由の風を吹かせることはできる。「気の合う人とは距離をおいて接する」「マイナス思考だから失望もしない」「老人もまた荒野をめざす」など、著者ならではのとらわれない思考法で、情報と常識でがんじがらめの頭をときほぐす。洞察とユーモアをたたえた「生き抜くヒント」集!

目次
第一章 かねあいが大事
気の合う人とは距離をおいて接する
自慢をしない人は油断がならない
笑顔はお金の掛からない布施
運転は本当の性格をむきだしにする
自由とは本来さびしいものである
初老期のクライシスに「一日一驚」
出る杭は打たれるが、出ない杭は腐る
第二章 とらわれない思考法
私は科学というものを信じない
私は絶対という言葉を信じない
あらゆる事柄に何らかの予兆がある
最悪の経験にもプラス面がある
マイナス思考だから失望もしない
第三章 年甲斐とは何だろう
老いて円くなる必要はない
歩くことも生き甲斐になる
体も足腰も錆びていくもの
下降する時期をきちんと認める
運転免許を返上する覚悟をもつ
ノスタルジーは老人の特権
第四章 からだの声を聴く
要は自分に合うか、合わないか
標準値はゆるやかに考えよう
健康ブームが神経質すぎる
非常識でもリズムを保つこと
健康法は面白がってやる趣味
第五章 老人もまた荒野をめざす
共感よりも世間の無意識を探る
現役勤労世代の悲鳴がきこえる
格差は高齢になってあらわになる
去り方が一変したと覚悟する
老人ホームに自らおもむく
第六章 この国で生きていく
老人に必要なものを作る発想
長生きして垣間見たい世界
日本化か、グローバル化か
歴史とは「あれも、これも」
民意とはおおむね情意である
私達は物語を生きている

書誌情報

読み仮名 トラワレナイ
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 週刊新潮から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610691-0
C-CODE 0210
整理番号 691
ジャンル 文学賞受賞作家
定価 792円
電子書籍 価格 792円
電子書籍 配信開始日 2016/11/25

蘊蓄倉庫

「書くこと」と「語ること」

 著者が「日刊ゲンダイ」で連載するエッセイ「流されゆく日々」は、今年9月で1万回を突破しました。1975年のスタートから40年以上、日刊紙連載では世界最長のギネス認定も受けていますが、もう一つ、並行して続けているのがラジオの仕事です。TBSラジオ「五木寛之の夜」が1979年から2004年まで、その翌年にNHK「ラジオ深夜便」のコーナーが始まり、今なお人気を集めています。日本では「語ること」より「書くこと」のほうが重んじられる傾向がありますが、著者にとっては、どちらも同じように大切なのだそうです。


掲載:2016年11月25日

担当編集者のひとこと

時代の風をどう読むか

 戦争や政変、事故や災害など、日々のニュースと時代の転変に一喜一憂するのはメディアばかりではありません。間断なくそうした情報にさらされる側の私たちも、知らず知らずのうちに気持ちが沈んだり、世の趨勢を憂いたり、何かにつけ心穏やかではいられないものです。
 確かに、明るい話の少ない時代です。人間関係は薄くなる。超高齢化は止まらない。モノや情報はあふれても、幸福感は得られない。しかし、それでも、心に自由の風を吹かせることはできると著者は言います。
『風に吹かれて』『他力』など、これまでの著者のベストセラーにはどこか受動的な姿勢が感じられますが、もとよりそれは単なる受け身のスタンスとは違います。
 本書では、「出る杭は打たれるが、出ない杭は腐る」「私は絶対という言葉を信じない」「マイナス思考だから絶望もしない」「老人もまた荒野をめざす」など、ある意味では、とても能動的な思考法が自らの経験とともにつづられています。
 時代の渦に巻き込まれる人生の必然と、その荒波を自分なりに生き抜くための静かな覚悟。生き方、老い方、考え方を見つめ直すヒントが満載の一冊です。

2016/11/25

著者プロフィール

五木寛之

イツキ・ヒロユキ

1932(昭和7)年福岡県生まれ。作家、作詞家。早稲田大学露文科中退後、編集者などを経て『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、『青春の門 筑豊篇』他で吉川英治文学賞を受賞。『大河の一滴』『人間の覚悟』『孤独のすすめ』『私の親鸞』『捨てない生きかた』など著書多数。

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