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脱ドーパミン中毒

アンナ・レンブケ/著 、恩蔵絢子/訳

1,210円(税込)

発売日:2026/09/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

世界的ベストセラー! スマホ、ゲーム、動画、SNS…… やり過ぎから抜け出す! 依存症医学の第一人者による実践編、8ステップの具体的メソッド。

「脳内快楽物質」ドーパミン──酒にドラッグ、ギャンブルやポルノばかりか、ゲームにSNSにネット動画と1日24時間・1年365日、絶え間なく脳が報酬を受け取れるのが現代社会だ。今や誰がいつ何の依存症になってもおかしくない、と依存症医学の第一人者である著者は言う。前作『ドーパミン中毒』の分析をもとに、どうすれば依存症から脱出できるのか、8ステップでやさしく伝授する現代人必読の実践書。

目次

はじめに

本書の使い方

第1章 Dはデータ[Data]のD
自分は何かの中毒=依存症なのだろうか?/変えたい自分の行動は何だろう?/回数と量はどうだろう?/実際はどうだった?/「人生のドーパミンチャート」/なぜ後悔したのか?/まとめ

第2章 Oは目的(オブジェクティブ)[Objective]のO
自分が衝動的な行動をとる理由を考えてみる/主観的現実と客観的現実の間のギャップ/まとめ

第3章 Pは問題(プロブレム)[Problem]のP
依存症だと脳に何が起こるのか?/神経適応/「快楽と苦痛のシーソー」とホメオスタシス/「相反過程」のメカニズム/「豊かさのパラドックス」/グレムリンと向き合う/まとめ

第4章 Aは節制(アブスティネンス)[Abstinence]と禁欲生活(アセティシズム)[Asceticism]のA
「ドーパミン断ち」/計画を立てる/なぜ4週間なのか?/いつ始めるべきか?/「セルフ・バインディング」/「時系列的セルフ・バインディング」/「物理的セルフ・バインディング」/「ジャンル的セルフ・バインディング」/衝動的な行動を引き起こす「引き金」/ギャンブル依存症は何に依存しているのか/自分を行動へと誘う「引き金」を知る/「引き金」への対処法を考える/価値観を軸にしたセルフ・バインディング/信頼できる相手に打ち明ける──アカウンタビリティ・バディ/禁欲生活──ホルミシスの効果/未来の自分へのメモ/ホルミシス的活動とは/苦痛への依存/まとめ

第5章 Mはマインドフルネス[Mindfulness]のM
自分の思考や感情を観察する/マインドフルネスの実践/脳がつくり出す物語/退屈を予想する/まとめ

第6章 Iは洞察(インサイト)[Insight](と徹底的な正直さ)のI
依存症から抜け出すために最も大切な気づき/「徹底的な正直さ」が重要/前頭前野で何が起きているか/自分の嘘を書き出してみる/徹底的な正直さが人との親密さを生む/「充分状態のマインドセット」と「欠乏状態のマインドセット」/「破壊的恥のサイクル」と「向社会的恥」/「回顧的な徹底的な正直さ」を試してみる/まとめ

第7章 Nは次の段階(ネクスト・ステップ)[Next Step]のN
ドーパミン断ちが終わったら?/目標を明確にした計画の立て方/まとめ

第8章 Eは実験(エクスペリメント)[Experiment]のE
うまくいく日もあれば、そうでない日もある/あなたは生還した!/まとめ─シーソーの教訓

謝辞
訳者あとがき

書誌情報

読み仮名 ダツドーパミンチュウドク
シリーズ名 新潮新書
装幀 brucke/イラスト、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-611135-8
C-CODE 0247
整理番号 1135
定価 1,210円
電子書籍 価格 1,210円
電子書籍 配信開始日 2026/09/17

蘊蓄倉庫

「豊かさのパラドックス」

 156カ国を対象に、国民が自分自身をどれほど幸せだと感じているかをランキング化した『世界幸福度報告書』によると、2018年、米国に住む人は2008年よりも幸福度が低下していた。富や社会的支援、平均寿命が同程度の他の国々でも幸福度は同様に低下していた。日本もその中に含まれる。不安障害の罹患率を把握するため26カ国、約15万人を対象に行われた調査では、高所得国では低所得国よりも不安障害の罹患率が高いことが判明している。うつ病に初めてなった人が1990年から2017年の間に世界で50%増加していることも、高所得国では低所得国に比べて自殺率が高く、特に男性においてそれが顕著であることも判明している。世界の死亡事例の70%は喫煙・運動不足・不健康な食生活など、修正可能な危険因子に関連しているが、国が豊かになり、精神医療へアクセスできるようになればなるほど国民は不幸で、うつっぽく、不安が強くなっていくことも指摘されている。著者はこれを「豊かさのパラドックス」と呼んでいる。
 そこで、幸福度を上げるために必要なのは「ドーパミン断ち」だ、と著者は指摘しているのだが、詳しい内容は本書をどうぞ。

掲載:2026年9月25日

担当編集者のひとこと

ドパガキ、ドパ中

「最近、ドパガキって言葉がネットで流行ってるの知ってます?」と若い部員に聞かれたのは本書の企画をはじめて説明した新書編集部の会議でのこと。ドパガキ? なんですかそれは。「ドーパミンがドバドバ出るような、刺激の強い音楽とか動画にハマる若い人をからかう……みたいな言葉なんですけど」「若くない人の場合はドパ中っていうらしいです。ドーパミン中毒の略でドパ中」
 アンナ・レンブケ博士の前作『ドーパミン中毒』を刊行したのは2022年10月。その頃、「ドーパミン中毒」という言葉はまだ一般的ではなく、タイトルについて意見を交わす編集会議では「医学的には『ドーパミン依存症』って言い方になるんですかねえ?」「それで読者に通じますか?」「そもそもドーパミンって脳内ホルモンの名称を、どのくらいの人が知ってるんでしょう」などといったやりとりをしたものでした。
 そんなことを思い出しながら家に帰って10代の息子に聞いてみれば、「ドパガキ? 知ってるよ?」と、そんなことも知らないの? と言わんばかりの口調で返され、街頭インタビューを流すテレビ番組では注釈もつけずに「自分、マジでドパ中で」と自嘲する若者の姿を映し、なるほど、レンブケ先生、われわれも言葉の普及に一役買えたみたいですねと思いながら、本書のタイトルは『脱ドーパミン中毒』と決まったのでした。
 前作ではいかに人がたやすくドーパミン中毒に陥ってしまうか、そのメカニズムを脳科学の側面からわかりやすく解説していますが、本書はその分析を踏まえて、ではどうやってドーパミン中毒から抜け出すか、その実践方法を依存症医学の第一人者である著者がわかりやすく教えてくれます。何かを「やめなきゃ」と思いながらやめられずにいる現代人だったら、必読の一冊と言ってもいいかもしれません。

2026/09/25

著者プロフィール

1967年アリゾナ州生れ。精神科医。医学博士。スタンフォード大学医学部教授。同大学依存症医学部門メディカル・ディレクター。イエール大学を卒業後、スタンフォード大学で医学を修める。依存症医学の第一人者であり、前著『ドーパミン中毒』は世界的ベストセラーに。

恩蔵絢子

オンゾウ・アヤコ

1979年神奈川県生まれ。脳科学者。東京工業大学大学院後期博士課程修了(学術博士)。専門は人間の感情のメカニズムと自意識。著書に『脳科学者の母が、認知症になる』、訳書にジョナサン・コール著『顔の科学』(茂木健一郎監訳)、アンナ・レンブケ著『ドーパミン中毒』、茂木健一郎著『生きがい』など。金城学院大学、早稲田大学、日本女子大学非常勤講師。東京大学大学院総合文化研究科特任研究員。

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