[特集]ルーシー・リーに会いたい
編集長から
ルーシー・リーに会いたい
一国一城に匹敵する価値とされた「曜変天目茶碗」。恐ろしさばかりが先に立ち、使うなんて滅相もない。国家権力や男性原理の黒い釉薬がたっぷりかかり、うつわのようでうつわでないものという感じがします。いっぽう今月特集したルーシー・リーのうつわは、テーブルの上の姿がありありと目に浮かびます。彼女は失敗作も完成品も友人や隣近所の人に惜しみなくあげてしまい、しかも「使ってちょうだい」としきりに言い続けていたそうです。つまり、包容力にあふれた日常の芸術家だったんですね。ユダヤ系ゆえに、ナチスに併合された故国オーストリアを逃れ、イギリスへ。女性としての魅力も手伝ったのか、バーナード・リーチやハンス・コパーなど、彼女をサポートしたのは実力と才能のある男性ばかり。そんな彼女の人生と、うつわの魅力を徹底特集しました。ルーシー・リーのオリジナル・ボタンのプレゼントもあります。詳しくは本誌をご覧ください。
芸術新潮編集長 松家仁之
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
芸術新潮とは?
「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。