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【特集】ヒルマ・アフ・クリント
目に見えない世界への旅

芸術新潮 2025年4月号

(毎月25日発売)

1,500円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2025/03/25

発売日 2025/03/25
JANコード 4910033050452
定価 1,500円(税込)
●目 次

【特集】ヒルマ・アフ・クリント 
目に見えない世界への旅

巻頭グラフ

はじめてのチュウ
ヒルマ・アフ・クリント展のサブタイトルから
文 三輪健仁

Biography
ヒルマ・アフ・クリント | 1862-1944
霊性スピリチュアリティの探求と絵画のゆくえ

\全193点の作品群/
「神殿のための絵画」とは一体何か?

  • 作品解説
    ヒルマ・アフ・クリント
    その絵画を解き放つ

    解説 三輪健仁
  • I スピリチュアルな絵筆
  • II ヒルマと抽象画家たち
  • III 彼女はアーキヴィスト ノートと神殿
  • IV モダン・ウーマン 児童書とフォーク・アート
  • V ヒルマの現在地

ヒルマを見ればわかること
鏡リュウジ/松田青子/坂口恭平/柳澤田実

ヒルマにもっとハマるためのBOOK GUIDE


◆ 第2特集 ◆

手塚治虫の「生命観」とは?
『火の鳥』を「動的平衡」論で読み解く

文 福岡伸一

◆ Art News exhibition ◆

松山智一
アメリカを描く、アメリカで描く
聞き手 木村絵理子

◆ Review ◆

  • ルー・ヤン「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展より
  • 光島貴之
  • 近藤亜樹
  • 目[mé]

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈96〉
ベア・ボンジャスカ

とんぼの手帖〈16〉
遊廓の「体験」

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈129〉
文 堀江敏幸

三浦篤×森村泰昌
キテレツ絵画の逆襲〈8〉
日本近代洋画を見つめなおす
東西洋画対決
ゲスト:田中淳、橋爪節也

千住 博の
知となり肉となり〈21〉
私の一日

山下裕二の
新・今月の隠し球〈38〉
井下紗希(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈25〉
小野田龍之介さん

◇ PICK UP ◇

  • movie 佐々木敦
  • book 諏訪 敦
  • recommend 編集部のおすすめ!
  • ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈57〉
    小田原のどか
  • exhibition 全国展覧会情報

ART CAFÉ SPECIAL
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GALLERY'S PLAZA

次号予告

▼芸術新潮特別企画

名画を支える「タキヤ」ピクチャーレール物語
プラド美術館だけの特別仕様が生まれたわけ

ブレない創作を目指して〈3〉
濱野年宏 大阪・関西万博から日本の美の神髄を発信

西中千人×神﨑亮平
アートと科学は見えない世界の価値を探究する

絵と言葉のチカラ展
第4回の受賞&入選作が決定!

織りなす四季の美。花に託した画家たちの想い

日本近代洋画のミカタ〈8〉
「東」の画家、「西」を描く

最新号PICK UP

ヒルマ・アフ・クリントのフラグ回収

弊誌2022年4月号の映画欄でドキュメンタリー「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」を紹介した。カンディンスキーやモンドリアンよりも早く抽象画を描いていた女性画家がスウェーデンで発掘され、その存在は美術史を書き換えると美術史家やキュレイターたちが訴える。しかしスクリーンにつぎつぎと映されるその「抽象的」な画は、いわゆる「抽象画」とは何かが違う。絵画というアートフォームに捧げられた色と形というよりは、個人の内面から沸き出たヴィジョン、または強烈なメッセージが託された暗号のようにも見えた。彼女が本当に抽象画のパイオニアなのかは、実作を見ずには判断できないと思い、映画評の最後は「日本でも実見できる日が待ち望まれる」という一文にした。昨今の海外作家の個展開催状況を鑑みれば、そんな機会はそうそう訪れないだろうという諦めも混じえつつ。

それから2年半経った、2024年の晩夏。翌年の展覧会ラインナップをPR会社の方から伺っていたところ、さらりと「ヒルマ・アフ・クリントくるんですよ〜」とおっしゃる。資料を見れば、大規模個展。しかも会場は東京国立近代美術館だ。「えっ」

というわけで本特集です。2019年、ニューヨークでヒルマの大展観に遭遇、2021年より日本展開催の企画準備を進めてきた、キュレイターの三輪健仁氏には、巻頭言および作品解説をいただいた。鏡リュウジ、松田青子、坂口恭平、柳澤田実の4氏には、それぞれの視点からヒルマがなぜ21世紀のいまアクチュアルな存在なのか、ご寄稿いただいた。

特集班も3月3日ついにヒルマ作品との初対面を果たした。グラフページを構成するため、急いで会場撮影を行ったが、振り返れば、かなり動転していたように思う。作品の持つ圧とともに、「抽象画のパイオニアか否か」という問いは吹き飛び、「抽象画とは、絵画とはなんですか?」というより大きな問いが飛来してきた。

この「未知との遭遇」を体験しに、まずは東京国立近代美術館へ。そして本誌をお手に取っていただければ幸いです。

ヒルマ・アフ・クリント展
3月4日~6月15日
東京国立近代美術館
 https://art.nikkei.com/hilmaafklint/

映画「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」
4月5日~4月11日/5月3日~5月9日/6月7日~6月13日
渋谷・ユーロスペース(東京)
 https://trenova.jp/hilma/

この号の誌面

編集長から

日本に初上陸!
ヒルマ・アフ・クリントのスピリチュアル抽象の力

 19世紀後半から20世紀前半にかけての女性画家で、国はスウェーデン――この条件ではヒルマ・アフ・クリントが長くマイナーな存在だったことに不思議はないが、近年、大規模展が欧米各国で相次ぎ、ついに日本上陸。東京国立近代美術館で開催中の展覧会(6月15日迄)は、「10の最大物」シリーズをはじめ代表作が網羅され、圧巻のひと言だ。カンディンスキーやモンドリアンと並走する抽象画のパイオニアだったアフ・クリントはじつは神智学・人智学のシンパで、霊的な世界の変容するイメージを群作によって伝えようとした。100年遅く生まれていたら、画家ではなくメディア・アーティストになっていただろう。知られざる作家をブレイクと同時に特集できるのは、雑誌としてまことに本懐。展覧会場での撮りおろしも含め、この画家の全容に迫ります。
 一方、日本人全員に知られている手塚治虫「火の鳥」。こちらも展覧会を機に、福岡伸一先生が「動的平衡」論の視点で読み解く。

芸術新潮編集長 高山れおな

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