没後120年［愛蔵版特集］今こそ読みたい　ゴッホの手紙

　ゴッホの手紙をご覧になったことがありますか。活字にされたものではなく、手紙の現物を。生きることと芸術へのひたむきな思いがみっしりつまった文面は、意外にも几帳面な筆記体で、その時々に取りくんでいた絵のペン画が添えられることもありました。彼はまさに書くように描き、描くように書いた。今月号はオランダで刊行されたゴッホの決定版書簡集の成果を盛り込みつつ、選りすぐりの手紙のカラー図版を、新訳も含む訳文とともに紹介。さらに森村泰昌氏らが刺激的な読み方を提示します（絵画作品ももちろん掲載）。
　第2特集は、ゴッホより22歳年下で、やはり30代で早世したリトアニアのチュルリョーニス。知名度は低いけれど、作曲と絵のどちらも一級という稀有な才能の持ち主です。彼の研究者にして同国の元国家元首（！）ランズベルギス氏演奏のピアノ曲入りＣＤを付録としますので、秋の夜長、二人の芸術家の魂を見て、読んで、聴いて、お過ごし下さい。