【特集】知られざる超大作の扉が今ひらく! 五百羅漢の絵師 狩野一信〈全100幅一挙掲載!〉
編集長から
濃密「五百羅漢」でよみがえる狩野一信
いまや日本美術のなかで図抜けた人気を誇る若冲も、11年前に京都で大展覧会が開かれるまでは、知る人ぞ知る存在だった。今月の特集は、その若冲に画面の濃密度で匹敵する幕末の絵師・狩野一信。芝・増上寺秘蔵の《五百羅漢図》全100幅には、釈迦から仏法の護持を託された「羅漢」という名の強面オヤジ軍団の活躍が、西洋画法を含む盛り沢山なテクニックを駆使し、これでもかと言わんばかりに描き尽くされている。筆遣いに抹香臭さは微塵もなく、仏画というより劇画、いや激画というべきか。そんな一信の力量を知らしめる江戸東京博物館での初の大展覧会は、3月開幕予定が震災の影響で4月29日に延期された。その間、五百羅漢は被災地に飛んで救難活動に尽力したに違いないとは、本特集の解説者・山下裕二氏の言である。
フェルメールの知られざる側面を推理する福岡伸一氏の論考はクライマックス、内田樹氏の道場兼自宅新築レポートは今号より始動。
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芸術新潮編集長 米谷一志
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