【特集】〈没後100年〉青木繁 ゴーマン画家の愛と孤独
編集長から
ゴーマン画家 青木繁の愛と孤独
その男がどれほどゴーマンだったかというと、他人の絵具を勝手に使い、「絵具も下手なやつに使われるより嬉しかろう」とうそぶく。お辞儀は頭を下げずにそっくりかえり、美術界のアレキサンダー大王になるのだと鼻息も荒し。誰もが教科書で見たはずの《海の幸》の作者・青木繁が、そんなオレ様男だったとは! 短くも激しく燃えた28年8ヶ月の生涯のうち、漱石にも認められた絶頂期は束の間、最後の3年は貧乏と病を抱え、九州を放浪する日々。今回の特集では、角田光代さんが画家ゆかりの場所を訪ね、その稀有な人生を浮かび上らせます。「絵か、それ以外か」という選択肢しか持たず、つねに迷うことなく「絵」を選んだ青木。しかし「それ以外」には、自身の命も含まれていたのではないか……。
今月は他に、美術史家・金沢百枝さんの「イスラエル モザイク紀行」も必見。キナ臭い印象のこの地は、多彩な宗教と歴史が交錯する美の宝庫でもありました。
今月は他に、美術史家・金沢百枝さんの「イスラエル モザイク紀行」も必見。キナ臭い印象のこの地は、多彩な宗教と歴史が交錯する美の宝庫でもありました。
芸術新潮編集長 米谷一志
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