【大特集】空海　花ひらく密教宇宙

　日本の「不動明王像」第1号がどこにあるか、知っていますか？　答えは京都・東寺の講堂。およそ1200年前、唐より本格的な密教をもたらした空海が、ここに仏像21体からなる立体曼荼羅を現出させた。その主役の一人こそ、日本初の不動明王なのでした。今月の特集は、空海と密教という大テーマに真正面から挑みます。密教とは何か、空海とは何者だったのか、空海以後の密教の意外な展開について、みなさんを研究の最前線にお連れしましょう。ビジュアル面では東寺講堂諸仏の撮りおろしグラフと、人気漫画『陰陽師』シリーズの岡野玲子さんによる描きおろし空海像が必見です。
　さらに今月は、「東北」特別レポート2本を掲載。大津波に襲われた仙台市若林区を訪れたのは、建築家の隈研吾氏。被災地で「破壊と共生する建物」を考えます。音楽評論家の鈴木淳史氏は、夭折した愛児に絵馬で祝言を挙げさせる習俗などをもとめ、東北3県を行脚しました。