【特集】ニッポンの「かわいい」 はにわからハローキティまで
編集長から
ハローキティと
日本美術史
日本美術史
美術作品には二種類しかない。「かわいい」か「かわいくない」かだ。あきれられるのを承知で、そう言ってしまいたい誘惑にかられる今月。特集はずばり「ニッポンの『かわいい』」である。そのかわいさにより、世界中でひっぱりだこのハローキティも、突然生まれてきたわけではない。この国には古代から脈々と「かわいい」の遺伝子が受け継がれているのだ。嘘だと思うなら、跡見女子大の矢島新教授とゼミ生たちがよりすぐった「かわいい日本美術30選」をご覧あれ。破顔一笑の埴輪、言わずと知れた《鳥獣戯画》、近世のオトボケ禅画やアニメみたいな動物画などなど、わが日本美術史は「かわいい」の宝庫だった。さらに、近世美術とハローキティをつなぐものとして、竹久夢二・中原淳一から高度成長期にかけての乙女カルチャーの変遷もしっかりおさらいした上で、斎藤環さんには現代と現代美術における「かわいい」の意義を考えていただいた。かわいいぞ!! 日本。
芸術新潮編集長 米谷一志
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