【世界文化遺産登録記念 大特集】奥州平泉とみちのくの仏たち
編集長から
奥州平泉と
みちのくの仏たち
みちのくの仏たち
この六月、世界文化遺産に登録された平泉、その要となるのは奥州藤原氏建立の中尊寺である。特集の巻頭では、同寺で出家得度された瀬戸内寂聴師に、この寺を復興した今東光師との思い出を綴っていただいた。今師は金色の仏たちを拝みながら、「中尊寺は藤原清衡が、前九年・後三年の役で死んだ敵味方双方を弔い、戦いのない平和な浄土にしようと造りあげた寺」と解きあかしてくれたという。大きな災厄からの復興のシンボルとして、昔も今も平泉はある。その歴史と名宝を紹介するとともに、東北六県で古くから信仰されてきた多士済々の仏像を訪ねた。都の仏像にひけをとらぬ美男仏、鉈彫りの霊像、エミシを思わせる強そうな薬師さまなど、それぞれがみちのくの底力の化身であるようだ。歴史作家の関裕二氏には、奥州藤原氏の心のルーツを求め、平泉から八戸まで旅していただいた。そうそう、ロートレックの生地から終焉の地まで旅した小特集もお見逃しなく。
芸術新潮編集長 米谷一志
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