【特集】ベン・シャーン 「世直し画家」の真実
編集長から
ベン・シャーン
「世直し画家」の真実
「世直し画家」の真実
ベン・シャーンの名は知らずとも、その簡にして要を得た人物画、特に「ブルブルふるえたような線」はきっと見覚えがあるはず。和田誠さんによれば、「ぼくに限らずあの線を真似した人は五〇年代の終わりから六〇年代の初め頃、たくさんいましたね」とのことです。音楽好きでLPジャケットも手がけたシャーンは、冤罪を絵筆で静かに告発する社会派の画家でもあり、核実験の犠牲となった第五福竜丸事件も描いたし、カメラを持っては底辺に生きる人々のありのままの姿を見つめました。その磨きぬかれたセンスと真っ当な眼差しは、今の日本にこそ必要なものではないでしょうか。
小特集では、現代美術作家の杉本博司氏がニューヨークのビルの12階に「実験装置」としてつくった茶室「今冥途」を紹介。さらに今月、池澤夏樹さんのパウル・クレー論が完結、大改造前のパリの街並に思いをはせる鹿島茂さんの新連載「失われたパリの復元」がスタートです。
小特集では、現代美術作家の杉本博司氏がニューヨークのビルの12階に「実験装置」としてつくった茶室「今冥途」を紹介。さらに今月、池澤夏樹さんのパウル・クレー論が完結、大改造前のパリの街並に思いをはせる鹿島茂さんの新連載「失われたパリの復元」がスタートです。
芸術新潮編集長 米谷一志
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