【特集】いわさきちひろ Love, Love, Love
編集長から
いわさきちひろ
Love, Love, Love
Love, Love, Love
戦後の日本で人々に最も親しまれてきた画家は、谷内六郎とこの人ではないでしょうか。今月の特集は「いわさきちひろ」、そのなつかしくもみずみずしい世界をたっぷりと。つぶらな黒目のこどもたちやアンデルセン童話の絵を、まずは無心にあじわっていただいた後で、そこに美術史の視点から光をあてます。ちひろ作品を《原爆の図》や奈良美智の少女の絵などと並べて論じ、正当な位置付けを試みる美術評論家・北澤憲昭氏の力作論考をはじめ、琳派やローランサンといった切り口から、新たな画家像が見えてきます。さらに、意外にハードだった生涯をたどれば、ちひろの大きな愛が、強い心に裏打ちされていたことがわかります。安野光雅さん、堀文子さんたちからうかがったお話も興味深いものでした。
さて、今月からは辻惟雄さんが連載開始。かつて若冲、蕭白ら「奇想の系譜」を浮かび上がらせた美術史家の回想録は、それ自体「奇想」に満ちています。
さて、今月からは辻惟雄さんが連載開始。かつて若冲、蕭白ら「奇想の系譜」を浮かび上がらせた美術史家の回想録は、それ自体「奇想」に満ちています。
芸術新潮編集長 米谷一志
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
芸術新潮とは?
「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。