【特集】永久保存版 中世の大画家 ヒエロニムス・ボスの奇想天国
編集長から
なぜ魔物や怪物が?
ボスの全作品を解説
ボスの全作品を解説
個性を求められる現代である。だが個性より伝統的手法が重視されていた中世ヨーロッパにおいて、強烈な新奇さで王侯貴族を魅了したネーデルラントの画家がいた。ヒエロニムス・ボス、ボッシュあるいはボッスと言ったほうが馴染み深い方もいるか。敬虔なキリスト教徒でもあったボスの作品には祭壇画が多い。本来であればキリストや聖母を中心に描くべきものだが、ボス作品には組体操をしているかのような集団、空を飛ぶ魚や鳥人間、魔物、怪物など空想上の生き物だらけ。そのため地獄を描いてさえも愛嬌がある。残念ながら現存作品は少なく、近年の研究から真筆だと確実視されているのはわずかに20点。そして作品から窺えるのは、人間の愚行を描くことで贖罪の意味を問う、それがボスの目的であったということだ。
小特集はオランダ、ベルギーをめぐる美術紀行。ルーベンス、レンブラントを筆頭に、ボスやブリューゲル、フェルメール、ゴッホを生んだ美の故郷へいざ。
小特集はオランダ、ベルギーをめぐる美術紀行。ルーベンス、レンブラントを筆頭に、ボスやブリューゲル、フェルメール、ゴッホを生んだ美の故郷へいざ。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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