【平成修理落成記念◎大特集】王朝のかがやき、ふたたび　平等院鳳凰堂

　去る10月1日、平等院で鳳凰堂の平成修理落成式が行なわれた。四半世紀に及ぶ修理を経て、平安時代の鮮やかな色彩に甦ったのだ。鳳凰堂は他に類のない高密度の国宝空間である。4棟で構成される建物、堂内に鎮座する本尊《阿弥陀如来坐像》、《雲中供養菩薩像》、本尊の上を覆う《天蓋》、14面の《壁扉画》、屋根の上の一対の《鳳凰》が、建築・彫刻・絵画・工芸の4部門にわたってそれぞれ国宝指定されている。本尊は、不世出の仏師・定朝による現存唯一の作だ。そんな定朝が試行錯誤した痕跡が、修復の過程でつまびらかになった。またＣＧによる再現画像からは、剥落した壁画や堂内の装飾など建立時の様子を窺い知ることができる。そこへ切り込むのは新進気鋭の研究者。緻密な論証により、鳳凰堂のコンセプトについて大胆に推理する。新発見や新説を提示するとともに、《雲中供養菩薩像》全52体を折り込みページでドーンと掲載。盛りだくさんの永久保存版大特集です。