【特集】肉筆春画レボリューション! 月岡雪鼎(せってい)の絢爛エロス
編集長から
肉筆春画の巨匠
月岡雪鼎をご存知?
月岡雪鼎をご存知?
春画と聞いて思い浮かべるのは錦絵の作品だろう。だが月岡雪鼎が主戦場にしたのは肉筆。より色鮮やかで描写が繊細だ。誇張著しい局部の表現は、歌麿や北斎ら後世の絵師に影響を与えたとも考えられる。顧客は相当なセレブだったようで、背景が金地の画巻も残る。雪鼎の肉筆春画は火除け効果があるとの評判も立ち、それを利用するがごとく「厭火避妖」と大書された作品も。加えて参考文献を列記したり、重厚な序文を付したり、自らの教養人ぶりをアピールする。お笑いセンスも抜群で、お堅い本をパロディにした春本は抱腹絶倒ものだ。上方にこんな巨匠がいたとは驚きである。
春画ではないが、2014年夏は局部騒動が連発した。ろくでなし子の逮捕(釈放されるも12月に再逮捕)、鷹野隆大の写真作品撤去命令、海外ではオルセー美術館で女性アーティストによる大股開きパフォーマンス。芸術と猥褻をめぐる問題を、小誌記事「股間若衆」でおなじみの木下直之氏が考察する。
春画ではないが、2014年夏は局部騒動が連発した。ろくでなし子の逮捕(釈放されるも12月に再逮捕)、鷹野隆大の写真作品撤去命令、海外ではオルセー美術館で女性アーティストによる大股開きパフォーマンス。芸術と猥褻をめぐる問題を、小誌記事「股間若衆」でおなじみの木下直之氏が考察する。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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