【祝! 生誕300年◎大特集】オール アバウト 若冲
編集長から
超接写画像で明かす
若冲の技の凄味
若冲の技の凄味
全30幅からなる《動植綵絵》は若冲の代表作。約10年かけて完成させたこの作品は、初期と後期のものでは画風が異なる――ということは早くから指摘されていた。そこへ解体修理から新たな事実が明らかに。たとえば蝶の表現。特集ではグーンと寄って掲載しているが、それを見ると真っ白な羽の蝶もいれば淡い羽色のものもいる。前者には裏彩色を施し、後者には施していないのだ。これにより画面に遠近感が出る。ほかにも胡粉を盛り上げて立体感を出したり、顔料と染料を使い分けたり、表現への執念を感じさせる作品ばかりだ。凝りすぎた手法ゆえ後継者も現れなかった空前絶後の版画絵巻も手がけている。
近年、人物像も裏返った。絵を描くしか能がない冴えない男、社会性に乏しい絵画オタク、と思われていたが、新史料により行動力と高い交渉力を持っていたことが判明。ついでながら真作か模倣作かの論争真っただ中の作品もある。などなど、若冲のウラのウラまでお伝えします。

近年、人物像も裏返った。絵を描くしか能がない冴えない男、社会性に乏しい絵画オタク、と思われていたが、新史料により行動力と高い交渉力を持っていたことが判明。ついでながら真作か模倣作かの論争真っただ中の作品もある。などなど、若冲のウラのウラまでお伝えします。

芸術新潮編集長 吉田晃子
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