【徳川家康没後400年記念◎大特集】関ヶ原&大坂の陣 謎解き大合戦図
編集長から
屏風に秘められた
家康の野望
家康の野望
関ヶ原の戦いを描いた《関ヶ原合戦図屏風》はいくつか現存するが、そのなかで最も古く、かつ豪華な作品は「津軽屏風」(通称)である。注文主はおそらく家康自身。右隻には川を渡って関ヶ原へ向かう家康隊がいる。おや、兵のひとりが溺れてやしないか。左隻では大谷吉継らしき武将がニコニコ顔でいざ切腹。燃えさかるのは石田三成の陣営か? 目を凝らすといろいろ発見があって楽しいが、さらに丹念にこの絵を検証していくと、家康が抱いたある政治的意図も見えてくる。いっぽう黒田長政が描かせた《大坂夏の陣図屏風》には、豊臣家への恩義と徳川家への忠義の間で揺れる黒田家の複雑な心境が……。武将たちは何を求め、どこを目指したのか。合戦図から彼らの秘めたる思いに肉薄する。本邦初、美術史家×歴史学者による合戦図10選も見逃せない。
第2特集は杉浦日向子。名作『百日紅(さるすべり)』『合葬』ほか、精緻な筆致が冴える原画の数々をお楽しみください。

第2特集は杉浦日向子。名作『百日紅(さるすべり)』『合葬』ほか、精緻な筆致が冴える原画の数々をお楽しみください。

芸術新潮編集長 吉田晃子
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