【特集　永久保存版】 史上最強の宗教画はこれだ！　謎の巨匠グリューネヴァルト

　《イーゼンハイム祭壇画》をご存知だろうか。開閉式の巨大な祭壇画で、パネルの10点の絵は1512～15年頃、ドイツの画家グリューネヴァルトによって描かれた。特筆すべきはその凄惨さ。なかでも磔刑図は強烈で、口を半開きにしたまま首を垂れるイエスの体には、おびただしい傷跡が残る。しかも青黒く変色して腐敗の兆候を示している。画家はなぜ、この異質な宗教画を描いたのか？　ほかユニークな怪物たちが登場する「聖アントニウスの誘惑」はじめ、撮り下ろしによる迫力の図版と詳細な解説で全画面を紹介。ちなみにグリューネヴァルトは同時代のデューラー、クラナッハと並ぶ名手であったが、生年すらはっきり分かっていない。わずかな史料をたよりに謎多き生涯にも迫る。
　第2特集はグリューネヴァルトにちなんでアルザス美術紀行。さらに原田マハ氏の連載では美輪明宏氏が登場。子どもの頃は画家になりたかったという美輪氏がアートとロマンを語る。