【特集】人殺し画家が描く“神の光”　カラヴァッジョをつかまえろ！

　ライバルを誹謗中傷する卑猥な詩を回覧、公証人から警官まで暴行被害者多数、決闘相手を殺して逃亡するわ、逃亡先でも事件を重ねた果てに野たれ死ぬわ。唖然とする程やんちゃなカラヴァッジョに、よくもまあ教会や貴族からお声がかかったものだ。それもこれも比類なき画才のおかげ。強烈な明暗表現、徹底した写実、息をのむストップモーション……。いまや押しも押されもせぬバロックの巨匠だが、当時は時に発注主から受け取りを拒否される程その画風は革新的だった。彼の存在なくしてベラスケスもレンブラントもフェルメールも登場しなかった――と言ったら大げさかもしれないけれど、西洋美術史を塗り替えた画家であることは間違いない。ローマ取材による撮りおろし写真で、迫力たっぷりにその画力をお伝えしよう。
　第2特集は美仏をめぐるモンゴル紀行。王族で、モンゴルの政治と宗教に決定的な一時代を画したザナバザルが手がけた秀麗な仏像をお楽しみください。