【特集】出版戦国時代のモンスター べらんめえ国芳
編集長から
常識破りの浮世絵師
べらんめえ国芳
べらんめえ国芳
印刷技術の発達による技の競い合い、版本や錦絵の出版数増加による購買者の奪い合いも熾烈だった幕末。歌川国芳が活躍したのは、そんな出版戦国時代だった。意外や彼は遅咲きで、デビューしたものの鳴かず飛ばず、30代に入ってようやくヒット作に恵まれる。以後、独創的な作品で快進撃を展開した。トップに君臨しつづけるための戦法とは何だったのか、国芳の「生き残りをかけた七つの流儀」を考察する。たとえばカッコよさへの執着、高価な三枚シリーズを売ってしまうダイナミックな表現――。時に珍妙な作品も残したが、それも新たなステージを目指した結果だった。
落語連との交流から生まれた春画表現の特質に切り込む新知見も興味深い。また商業出版だけでなく、狂歌連による自費出版にも駆り出された浮世絵師たちの奮闘ぶりにも注目する。
第2特集は日本四大絵巻のひとつ《信貴山(しぎさん)縁起絵巻》。近藤ようこ氏による漫画ルポとともにハイライトをお見せします。

落語連との交流から生まれた春画表現の特質に切り込む新知見も興味深い。また商業出版だけでなく、狂歌連による自費出版にも駆り出された浮世絵師たちの奮闘ぶりにも注目する。
第2特集は日本四大絵巻のひとつ《信貴山(しぎさん)縁起絵巻》。近藤ようこ氏による漫画ルポとともにハイライトをお見せします。

芸術新潮編集長 吉田晃子
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