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【特集】今も怒濤の創作全開
草間彌生が凄すぎる!

芸術新潮 2017年4月号

(毎月25日発売)

1,466円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2017/03/25

発売日 2017/03/25
JANコード 4910033050476
定価 1,466円(税込)
●目 次

【特集】
今も怒濤の創作全開
草間彌生が凄すぎる!


◆ special features ◆

第一部
わが永遠の魂

独占インタビュー
溢れ出るアイディアは尽きることなく
撮影 荒木経惟

驚異の最新シリーズを一挙公開&徹底解剖!
解説 南雄介

第二部
世界のKUSAMAへの軌跡

天才少女あらわる 1929-1956

無限の網の絵画革命 ニューヨークにて 1957-1965

グラフ
YAYOI in NY


初めてのヴェネツィア・ビエンナーレ 1966

ヒッピーの女神 1967-1972

日本への帰還 苦難の再出発 1973-2003

21世紀、衝撃の新展開
「クサマトリックス」から「愛はとこしえ」へ 2004-2008

「この天才をヴェネツィアとMoMAへ連れてゆく」
談 建畠晢

精神科医が読み解く草間芸術の崇高
談 斎藤環 

再録コラム
(1)本誌1955年5月号 新人の主張 イワンの馬鹿
(2)本誌1961年5月号 女ひとり国際画壇をゆく
文 草間彌生

コラム
恩人・盟友・ライバル アーティスト交遊録
ジョージア・オキーフ/ジョゼフ・コーネル/アンディ・ウォーホル

草間作品と出会うアートスポットガイド

展覧会案内

◆ special feature ◆

第2特集
エルミタージュ美術館と
ロシア宮廷と名画の物語


◆ art news ◆

◇ exhibition ◇

戦国の烈風、桃山の気魄
雪村&友松に刮目せよ

賛成の反対のパロディなのだ!

和洋ハイブリッドの花鳥画の神
渡辺省亭、100年目の帰還

◇ report ◇

緊急現地レポート
トランプ大統領就任にNYアート界は戦う
文 藤森愛実

◇ dialogue ◇

恐るべし、フランスの “再発見力”
とりマリのアングレーム体験譚
対談 とり・みき×ヤマザキマリ

◇ book & exhibition ◇

いにしえのパリに憑かれた
鹿島茂の到達点は、本と展覧会の揃い踏み
インタビュー 鹿島茂

◇ review ◇

N・S・ハルシャ
青木宏憧「都美セレクション 新鋭美術家2017」展より
「オルセーのナビ派展 美の預言者たち―ささやきとざわめき」より
新井卓

◇ global news ◇

Berlin「ミハエル・サイルストーファー:ヒッツェフライ」展
London「デヴィッド・ホックニー」展
New York「コマーシャル・ブレイク」展
Paris「路が交わるアフリカ」展

◆ regular features ◆

◇巻頭◇

FLOWER
日々の花〈24〉〈完〉
仲田智
文 市村美佳子

PHOTO
作家が覗いたレンズ〈36〉〈完〉
田中小実昌
選・文 森岡督行

GOODS & SHOP

◇ 連載 ◇

海外アート
Study最前線〈23〉
文 前橋重二

定形外郵便〈35〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに
会いに行く〈13〉
冷泉貴実子

伊藤まさこの
小さい美術館めぐり
時々おやつ〈完〉
〈22〉金沢美術工芸大学
柳宗理記念デザイン研究所

もう一杯だけ呑んで帰ろう。〈35〉
文・写真 角田光代+河野丈洋

千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈34〉

TONY & INOCCHI 
マンガ展評
ちくちく美術部〈23〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend  編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈12〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

◇ 芸術新潮特別企画 ◇
春のアートスポット
MOA美術館/横須賀美術館/ヒルトピア アートスクエア/清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017

印象派、ジャポニスム、そして金地――
格闘する平松礼二の新世界

ART CAFÉ

最新号PICK UP

天才・草間が描きまくり
今まさに歴史が動いている

 草間彌生。言わずと知れた、天才芸術家です。
 彼女は今、ものすごいペースで絵を描き続けています。畳でいうと2畳分以上というアクリル絵画の大作を、2~3日に1枚という超ハイペースで描きまくっているのです。芸術新潮では、そんな前衛芸術家の現在の姿を見つめ、またこれまでの軌跡を辿り、決定版ともいえる特集をつくりました。その特集の編集作業は、「天才の凄さ」と、日々対峙するものとなりました。
 キュレーターであり、詩人でもある建畠たてはたあきらは、1975年に初めて草間の個展(コラージュ展)を見て、彼女が天才であると確信したといいます。草間は、下絵なしでいきなり描き始めます。試行錯誤するプロセスは存在しません。しかもそれは平面作品だけではなく、立体作品でも同じ。鏡を使って無限の連なりを表現するような作品でも、草間の指示通りのサイズでつくっていくと、最初から完璧な仕上がりとなっているのだそうです。
 精神科医であり、アウトサイダー・アートに詳しい斎藤たまきも「世界でただひとりだけ」と、草間の才能を激賞しています。アウトサイダー・アーティストの作品は、病と向き合う中で生まれてくるため、表現の様式が変化することはほとんどありません。が、草間は次々とスタイルを変えていきます。つまり、アウトサイダー的作家でありながら、みずからの作品を客観視し、それを美術史の流れの中に置くことができる、ということです。
 草間が現在描いているのは、「わが永遠の魂」というシリーズです。2009年から描き始め、その作品数は、今ではもう500点を超えています。建畠は、この中に草間の最高傑作といえるほどの凄い作品がすでに何点もある、といいます。特に、2015~16年に描かれている、細密なタッチの静謐な作品群は、ぜひ展覧会場(国立新美術館、5月22日まで)でご覧いただきたいものです。斎藤も「手描きだとは信じられないほど」「まるで自然界の文様のよう」とその驚きを語っています。
 今まさに歴史が動いている――そんな興奮を、読者の皆さんとぜひ共有したいと願っています。

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この号の誌面

編集長から

世界のKUSAMA
その道のりを追う

 草間彌生が2009年から手がけている最新シリーズ「わが永遠の魂」は、現在までに500点あまりが完成。このうちの132点が東京・国立新美術館で公開中だ。畳2畳分以上の大画面を2~3日に1点は描くという驚異的ペースだが、当人はアイディアがあふれ出てきて困るくらいだという。特集では、スタイルもモティーフも移り変わりながら続くこのシリーズの特徴を分析。さらに、5歳頃に描かれた現存するいちばん古い作品をはじめ、ニューヨーク時代の挑戦、帰国後の苦難の再出発からその後の飛躍まで、いまや展覧会動員数が世界一になるに至った活動の全貌に迫る。60年前に小誌に掲載したエッセイも全文再録。独占インタビュー、荒木経惟による撮りおろしポートレイトからも、草間の芸術への凄まじい覚悟が伝わってくる。
 第2特集はエルミタージュ美術館。なぜ、あれほどに巨大なコレクションができあがったのか。現地特別取材による臨場感をお楽しみください。

芸術新潮編集長 吉田晃子

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