【特集】ラノベ日本書紀
史上もっともわかりやすい日本誕生の物語
芸術新潮 2020年2月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2020/01/24 |
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JANコード | 4910033050209 |
定価 | 1,500円(税込) |
【特集】日本書紀編纂1300年記念
ラノベ日本書紀
史上もっともわかりやすい日本誕生の物語
ラノベライズ 小野寺優
扉絵:五月女ケイ子
挿絵:駒碧
プロローグ
日本書紀編纂はこうしてはじまった
第一章◆紀元前660~紀元前98年
ヤマトへの道のり
【ラノベ】誤算続出! 神武天皇のドタバタ東征記
第二章◆紀元前97~紀元後310年
日本書紀最強のヒーロー&ヒロイン現る!
【ラノベ】奇跡の子・日本武と重たすぎる父王の愛
【ラノベ】マタニティ司令官、海を渡りますの
第三章◆313~456年
殺し合う兄弟、譲り合う兄弟
【ラノベ】聖帝・仁徳の憂鬱
第四章◆456~506年
ふたりの暴君 皇統あやうし!
【ラノベ】最強のパワハラ大王・雄略
第五章◆507~539年
新天皇、越前より来たる
【ラノベ】なんで私が天皇に?
第六章◆539~628年
仏教伝来!
祀るべきか、祀らざるべきか、それが問題だ
【ラノベ】崇仏・蘇我氏vs.排仏・物部氏の仁義なき戦い
第七章◆629~671年
クーデター、敗戦、そして律令国家へ
【ラノベ】乙巳の変――クーデターの陰に謎のランチタイムあり
第八章◆672~697年
天武・持統の夫婦二人三脚
【ラノベ】天皇になるのはどっちだ 天下分け目の骨肉決戦・壬申の乱
展覧会案内
ここが知りたい! 日本書紀(1)~(9)
解説 遠藤慶太
神話でくらべる古事記と日本書紀
文 三浦佑之
[グラフ]大王たちの風景
橿原(かしはら)神宮/香椎(かしい)宮/大山古墳/三輪山/足羽山(あすわやま)公園/飛鳥大仏/談山(たんざん)神社/薬師寺
◆ 第2特集 ◆
美しき静寂の部屋
19世紀デンマーク絵画とヴィルヘルム・ハマスホイ
◆ Art News exhibition ◆
ヴァン クリーフ&アーペルの魔法
談 村中恵理
ある米国人美術史家の頌した
彭城百川
◆ Art News report ◆
ドイツ現地レポート
被害額1200億円!?
盗まれた「レジデンツ宮殿」の宝物
文 かないみき
◆ Review ◆
吉田穂高/青木野枝/郡司慶子/蝸牛あや
◆ Global News ◆
- Le Cateau-Cambrésis「マティスになる」展
- London「自動車:現代世界を加速させて」展
- Milano「カノーヴァ/トルバルセン 近代彫刻の誕生」展
- New York「ファッションの追求:サンディ・シュライアーのコレクション」展
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
御贔屓 御馳走帖〈2〉
選・文 森川裕之
Goods & Shop
時と光の美術館〈34〉
ジラール・ペルゴ
◇ 連載 ◇
リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈22〉
ヤマザキマリ とり・みき
海外アートStudy最前線〈50〉
文 前橋重二
定形外郵便〈67〉
文 堀江敏幸
原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈27〉
青木 淳
新連載
あの人と食器棚〈1〉
伊藤まさこ
料理家 冷水希三子
千住博の往復書簡〈19〉
宛先 林望様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈64〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
藤田一人の展声人語〈4〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
「菊池ビエンナーレ」が探りつづける
現代陶芸の可能性
ART CAFÉ
Gallery's Plaza
最新号PICK UP
日本最初の男性保育士も、正念場でのランチタイムも、日本書紀に書かれていた!?
あなたの知らない“正史”の世界
中学生なら誰もがその名を知っている超有名古典作品でありながら、おそらく99%の人々が一度も手にしたことがない書物、それが『日本書紀』ではないでしょうか。「我が国最初の正史」という言葉もむなしく、人気の高さでは『古事記』のはるか後塵を拝して久しい硬派なこの歴史書を、これまでのどんな現代語訳よりも楽しくわかりやすく軟派にノベライズしたのがずばり本特集です。
ラノベでとりあげたのは、全部で9エピソード。軟派と言っても中身は基本、原典どおり。雄略天皇による「日本初の男性保育士任命」や「レアステーキ殺人事件」、舶来の仏像を前にはしゃぐ欽明天皇、クーデター現場での「謎のランチタイム」など、一見創作と思われる場面も(誇張はありますが)ちゃーんと原典に書いてあるんです。
解説は皇學館大学の遠藤慶太先生にお願いしました。本特集が、壮大かつ長大な『日本書紀』に親しむ入口となれば幸いです。
この号の誌面
編集長から
教養を積む近道「ラノベ日本書紀」
歴史と宗教がざっくり分かっているだけで、美術鑑賞は格段に愉快なものになる。が、大づかみに理解しようにも、そうさせてくれない代表格が『日本書紀』。“正史”ならではのお堅さとボリュームゆえ、現代語訳ですら途中で挫折しがち。ならばいっそ、おいしいところだけをラノベにしてみてはどうだろう? というのが今月号の特集だ。著者は『ラノベ古事記』で神話読者の裾野をグッと広げた小野寺優。神武のドタバタ東征記、身重で朝鮮半島に遠征した神功皇后、外来の仏教を前に煮えきらない天皇たち、天武・持統夫妻による近代的国家づくりへの道のり――日本誕生の物語が、劇画的なビジュアル感を伴って頭に入ってくる。さらに『日本書紀』編纂の背景や内容の要点を、古代史研究者・遠藤慶太が解説する。
第2特集はハマスホイ。静謐で叙情感ただよう世界観で知られる、デンマークを代表する画家だ。12年ぶりとなる待望の展覧会は、話題となること必至。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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雑誌から生まれた本
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