千利休生誕500年記念
【特集】闘う茶の湯
芸術新潮 2022年10月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2022/09/24 |
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JANコード | 4910033051022 |
定価 | 1,500円(税込) |
千利休生誕500年記念
【特集】闘う茶の湯
茶闘対談
磯田道史×千 宗屋
茶室で動いた政治と、茶道具が動かした運命
プレヒストリー 「茶」はどこから来たのか
CHAPTER 1
室町幕府で茶
茶の湯の萌芽と東山御物。
茶闘対談 1
室町時代のクールチャイナと京都LOVE
CHAPTER 2
信長と茶
信長の上洛と名物愛、そして本能寺の変。
茶闘対談 2
モダニスト信長、堺のシティボーイ利休と会う
[グラフ]
大阪城のおひざもとで拝見する
藤田美術館 茶道具の至宝たち
CHAPTER 3
秀吉の茶
禁中茶会と北野大茶湯、そして利休の死。
茶闘対談 3
パフォーマー秀吉のおもてなし術
戦国茶の湯事件簿
久秀と村重と茶器のドラマ/「瀟湘八景図」の波瀾万丈
本能寺の変で消えた「幻の茶会」/ 千利休はなぜ切腹させられたのか
よくぞご無事で!
乱世を生き抜いた現存名品5
CHAPTER 4
その後の茶
凋落と復興、あらたな愉しみ。
茶闘モノローグ
利休スピリットの継承と展開
茶会記が教えてくれること
文 田中仙堂
戦国と茶の湯ヒストリー
- COLUMN
- 本能寺の変で失われた信長愛蔵の茶道具
- お茶好きなら誰でもウェルカム!
北野大茶湯という茶会デモクラシー
藤田美術館案内
展覧会案内
◆ 第2特集 ◆
風狂、スティーブ・ジョブズが愛した日本
構成・文 柳田由紀子
◆ Art News exhibition ◆
李禹煥
Lee Ufan
軌跡の余白の軌跡
ミステリー・オブ・加耶
◆ Review ◆
- 伊庭靖子/レオノール・アントゥネス/キム・ハク
- タマシュ・ヴァリツキー「イメージ・メイキングを分解する」展より
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
国宝クラス仏をさがせ!〈22〉
萬福寺 四天王立像
Goods & Shop
時と光の美術館〈66〉
カルティエ
◇ 連載 ◇
国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈22〉
選・解説 瀨谷貴之
定形外郵便〈99〉
文 堀江敏幸
大人のための印象派講座〈14〉
画家たちと政治性――
マネを中心に
文 三浦 篤
中野京子
名画に見る悪の系譜〈5〉
ハニートラップ
ジャニー喜多川が創ったもの〈5〉
文 立川輪太郎
山下裕二の
新・今月の隠し球〈10〉
西野壮平(下)
千住博の往復書簡〈51〉
宛先 岩田壮平 様
𠮷田幸紘 様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈94〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎 歓
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈28〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
雨晴主人がおすすめする
Shimoo Designの道具で愉しむ、立礼式の茶
はじめてのNFTアート〈8〉
Adam byGMO
NFTアートは現代の浮世絵!
東村アキコの「NEO美人画」
繭山龍泉堂で堪能する
中国「唐三彩」の美
文 川島公之
「東美アートフェア」、3年ぶりの開催
19回目にしての変革とは!?
ART CAFÉ
Gallery's Plaza
最新号PICK UP
リアル戦国茶会 in 藤田美術館
「てっきりガラスケース越しに作品を観ながらの対談だと思ってましたよ!」とは、歴史学者・磯田道史さんの弁。磯田さんと千 宗屋さんが戦国時代の茶と政治を語りつくす本特集の“茶闘対談”は、8月上旬、大阪の藤田美術館で行われました。
名品揃いの藤田美術館の所蔵品から、“戦国”をテーマに館長が選んだ作品は13点。水墨画もあれば、国宝の曜変天目茶碗あり、戦国時代には一国に値するほど武将たちを熱狂させた茶入に、茶杓も。そのどれもが「信長から柴田勝家に与えられた」(天猫姥口釜)、「利休から織部、そして遠州に伝わった」(本手利休斗々屋茶碗)などドラマチックな歴史をまとった逸品。それらが「藤田箱」と呼ばれる特注の箱から出され、手に取り眺めながらの対談となったのでした。
「たまらないなぁ、この梅花皮!」「この茶碗の肌は乙女のようですね」――ふたりの大人が膝をつき合わせ、茶道具を囲んではしゃぐ姿に(失礼!)、信長も秀吉も、茶頭の利休や家臣たちとこんなふうに茶会を楽しんでいたはず、と思わずにはいられない時間となりました。そんな、お道具に歓喜しながらも、当時の政治と茶の関係を鋭く突いた対談は誌面にてお楽しみください。
この号の誌面
編集長から
国宝茶碗も撮りおろし 茶の湯、それは闘い!?
千利休によるわび茶の大成は、織田信長、豊臣秀吉による天下統一とパラレルに進行しました。利休の切腹という極点へ向かって、茶は政治ツールとしての存在感を増し、茶道具はステイタスシンボルとして異様なまでの輝きを放ったのでした。今年は利休生誕500年。これを機とし、「闘う茶の湯」を大特集しました。軸となるのは、利休の末裔である千 宗屋氏と気鋭の歴史学者・磯田道史氏の対談ですが、ただの対談にはあらず。茶道具の名品をあまた所蔵する藤田美術館のご協力のもと、超贅沢な環境の中で行われたのです。どれぐらい贅沢かって? 安土城から京の宿所に名物道具数十点を持ち込み、それを並べてニヤニヤしていた信長と同じくらい!と申し上げたい。ええ、本能寺の変の前夜のことですが。
第2特集は「風狂、スティーブ・ジョブズが愛した日本」。アップルの創業者は、じつは利休と同じくらい禅にずぶずぶでした。利休とジョブズの意外なシンクロニシティをお楽しみください。
芸術新潮編集長 高山れおな
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