【特集】エゴン・シーレ 青春、赤裸々、世紀末
芸術新潮 2023年2月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2023/01/25 |
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JANコード | 4910033050230 |
定価 | 1,500円(税込) |
【特集】エゴン・シーレ
青春、赤裸々、世紀末
グラフ
まなざしが赤裸々を照射する
略年譜
“永遠の子ども”の28年
はじめに
陰部を描く
解説 水沢 勉
第1章
紅顔の鉄道少年
第2章
クリムト先輩からの脱却
第3章
じつは風景画だってすごいんです
第4章
分裂する自我像
第5章
クールな“わいせつ”画
コラム
- 1 爛熟のウィーン世紀末文化――シーレとその周辺
- 2 画家人生を変えた、まさかの逮捕劇――“ノイレングバッハ事件”の真相に迫る
- 3 恋人と妻とその姉――泥沼の四角関係
- いのっちの妄想シーレ劇場 (1)(2) マンガ:伊野孝行
ANTHOLOGIE
エゴン・シーレ ことばの欠片
ESSAY
野獣たれと、彼は言う
文 諏訪 敦
INTERVIEW
レオポルド美術館創設者の息子が語る
世界最大のシーレ・コレクション秘話
展覧会案内
◆ 第2特集 ◆
諏訪 敦
死者たちの声を描く
対談 諏訪敦×山本聡美
棄民と九相図と語り継がれる物語
◆ Art News exhibition ◆
現代マヤの錬金術!
レニャテーロス工房のアートブック
文人・木米とはだれか
◆ Review ◆
- 「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」
- 谷原菜摘子/中谷ミチコ/ヨアダ
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
国宝クラス仏をさがせ!〈26〉
池上本門寺 日蓮聖人坐像
Goods & Shop
時と光の美術館〈70〉
ヴァシュロン・コンスタンタン
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈103〉
文 堀江敏幸
短期集中連載
戸谷成雄
ロダンのいない彫刻史〈2〉
構築と構成、そして破壊
国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈26〉
選・解説 瀨谷貴之
幻々夢譚〈2〉
絵・文 と金
大人のための印象派講座〈17〉
グループ展での不和と分裂
文 三浦 篤
中野京子
名画に見る悪の系譜〈8〉
スタートは動物虐待
ジャニー喜多川が創ったもの〈8〉
文 立川輪太郎
山下裕二の
新・今月の隠し球〈13〉
山口暁子(上)
千住博の往復書簡〈55〉
宛先 秋元雄史 様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈97〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎 歓
book 諏訪 敦
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ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈31〉小田原のどか
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次号予告
▼芸術新潮特別企画
時と光の美術館
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春風到福を願う
はじめてのNFTアート〈12〉
Adam byGMO
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ART CAFÉ
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最新号PICK UP
30年ほど前のことだったか、大学の同級生がエゴン・シーレにはまっていた記憶がある。下ネタ好きの彼女が熱を上げていたこともあり、裸や「からみ」の場面の多いシーレとは、エロい画家なのだと思いこんでいた。私はどちらかというとクリムトの幻想的な官能の世界の方が好みだったのだが――。今回、シーレの特集を組んでみたら、じつはシーレはエロい画家ではなかった。男も女もそして自分自身をも裸にし、さらにその内奥から何かをひきずりだすかのように描写する。イケメンなのに、自画像も毛むくじゃらの野獣のようで、綺麗ごとなんてクソくらえと、容赦がない。こうなると、ふつうにいやらしいオジサン目線のクリムトなんて、かわいいもの。シーレの目線はむしろ男女平等で、熱くて冷めていて、つまりずっと現代的なものなのであった。東京都美術館で開催されているシーレ展を見る前でも後でも、本誌を開いて、そんなシーレの先駆性を感じていただければ嬉しいです。
追伸 新潮社から刊行されているシーレのドローイングと水彩画の作品集もおススメです。
この号の誌面
編集長から
エゴン・シーレ 絵と愛の28年
今から百年前のパンデミック、第一次大戦下の世界で猛威を振るったスペイン風邪では、誰もが知る二人のオーストリア人画家が命を落としています。グスタフ・クリムト、そしてエゴン・シーレです。時にシーレはまだ28歳の若さ。惜しみても余りある夭折ながら、まるでこの短命を予期していたかのような早熟な画業には、今なお見る者を捉えて離さない、強烈な切れ味があります。シーレの本領はなんと言っても人物画です。自らを皮剝ぎにしたかのような自画像や、思わず目をそむけたくなるような痛々しいヌードは、その後に展開する20世紀的な人体表現の先駆とも言うべきもの。特集「エゴン・シーレ 青春、赤裸々、世紀末」では、この若き天才の画業をたっぷりとお楽しみいただきます。
第2特集は「諏訪敦 死者たちの声を描く」。自己の家族史と昭和史の交点に浮かびあがる悲劇を描き出す画家の眼と思考は、シーレとはまた別の意味で鬼気迫るものとなっています。
芸術新潮編集長 高山れおな
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