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【特集】牧野富太郎
博士の愛したフローラ

芸術新潮 2023年7月号

(毎月25日発売)

1,500円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/06/23

発売日 2023/06/23
JANコード 4910033050735
定価 1,500円(税込)
●目 次


【特集】牧野富太郎
博士の愛したフローラ


『大日本植物志』風 牧野富太郎解剖図

[グラフ]写生ができなければ植物学者にあらず!?
精密完全、墨色の草花たち

学者の花、画家の花
文 諏訪 敦



I生き方篇
学問は底の知れざる技芸なり

赭鞭一撻しゃべんいったつ 故郷・佐川さかわで誓った15箇条

[略年譜]分類学を究め、市井に説く 牧野富太郎の94年

[対談]梨木香歩×田中純子
老少年・牧野富太郎さんへ



II お仕事篇
もはやアート! 牧野博士の図譜と標本
図譜への情熱/『牧野日本植物図鑑』ができるまで

牧野式植物図のルーツ
解説 大場秀章

今も活躍! 時をかける標本
解説 村上哲明

教えて! 牧野流・植物標本のつくり方



III 足あと篇
マキノイズム息づく高知へ

牧野巡礼の聖地
高知県立牧野植物園

植物園のお仕事拝見
働く人に聞いてみました
中野善廣/村上有美/小松 冴/藤井聖子

若き日のホームグラウンド
佐川の裏山から横倉山へ

全国採集“珍”言行録

牧野富太郎にであえる場所



◆ Art News exhibition & book ◆

藤本由香里×大塚ひかり
止まらない!
 BLボーイズラブ今昔対談

◆ Art News exhibition ◆

瀬戸せともの”河本五郎の躍るやきもの

London発
イギリス人は「犬の肖像画」がお好き!?
文 内田さり

NYで発見!
語りかける絵画の力
若手画廊で出会った2人の画家の魅力
文 藤森愛実

◆ Review ◆

  • 植竹邦良/カリム・B・ハミド
  • ヤン・ヘギュ「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」展より
  • ディノス・チャップマン




◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

国宝クラス仏をさがせ!〈31〉
観松院 菩薩半跏像

Goods & Shop

時と光の美術館〈75〉
ヴァレクストラ

時と光の美術館
SPECIAL
ヴァシュロン・コンスタンタン

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈108〉
文 堀江敏幸

国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈31〉
選・解説 瀨谷貴之

山下裕二の
新・今月の隠し球〈18〉
津絵太陽(下)

大人のための印象派講座〈21〉
死後の評価と名声の確立
文 三浦 篤

中野京子
名画に見る悪の系譜〈13〉
虚栄

千住博の往復書簡〈60〉最終回
宛先 横尾忠則 様

幻々夢譚〈7〉
絵・文 と金

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈4〉
おおうちおさむ さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈102〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈36〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

近代を超えて、
日本画は世界へ開く

NFTアートカレッジ〈4〉Adam by GMO
パンダと三人四脚!
NFTアートで人生を切り拓く

連載 美に魅せられて/ アジア文化芸術協会〈55〉
興福寺《無著・世親立像》
ART CAFÉ
GALLERY'S PLAZA

最新号PICK UP

美しすぎる植物画の正体

芸術新潮 2023年7月号
ユキモチソウの隣に、牧野が描いた絵が。高知県立牧野植物園にて。
撮影:広瀬達郎

牧野富太郎は植物学の世界の偉人ですが、非常に精巧な植物画を描いたことでもよく知られています。花の図などは美術的な鑑賞に十分堪えうるクオリティをもち、花のないシダの図でも、描線のあまりの細かさに異様な気迫が滲み出ています。植物を時に愛人としていつくしみ、時に神として崇めた、そんな牧野の心象風景が立ち現れてくるようです。

今回、これらの図をまじまじと眺めて思ったのは、植物標本と同じだ、ということでした。標本の大きさはだいたい新聞紙1ページの半分ほどで、そこに収まるように採集した植物を折り曲げたり整えたりするわけですが、牧野の植物画も1枚の画面に植物の全体像を収めるために、茎を切ったり葉を曲げたり、ものによってはかなり強引にその姿を変えています。そして余白には、これでもかと部分図や拡大図を配置して、なるべく多くの情報を盛り込む。牧野にとって植物の美しさは、その外形のみにあるのではないということは、特集内の諏訪敦さんのエッセイでも言及されています。

とはいえ、不自然な姿であっても、ぎゅうぎゅうに要素が詰め込まれていても、一見してそこに均整のとれた美が感じられるのは画力とセンスの賜物でしょう。牧野がつくった標本も、まさにそのセンスにあふれており、美しさには定評があります。

アートの論理とは異なるところで生まれたそんな造形美を、植物愛を貫いたがゆえの波乱の生涯や、ユーモラスな人柄、天真爛漫なエピソードとともに味わっていただければ幸いです。

この号の誌面

編集長から

「らんまん」の彼は
ほんとに爛漫だった

 朝ドラの主人公・槙野万太郎はまさに「らんまん」のノリでばくしん中だけれど、モデルとなった牧野富太郎について調べる程に、その実像もドラマさながらの天真爛漫ぶりであったことを知り驚いている。生涯を日本の植物相フロラの解明に捧げたこの“日本植物分類学の父”の軌跡を追う大特集を組んだ。牧野が残した膨大な標本や植物図譜の数々もたっぷりと紹介。図譜製作において、多くの植物学者は画工と協業するが、牧野は不惑の頃までは絵も自分で描いた。その高い完成度には、ただもうびっくり。自身、大の植物好きでもある作家の梨木香歩さんと練馬区立牧野記念庭園学芸員の田中純子さんの対談では、現代人としてまた女性としての視点から、辛口牧野評も飛び出す。多角的な誌面となった。
「はじめてのBL展」開催を機に、漫画文化論・ジェンダー論を研究する藤本由香里さんと古典エッセイストの大塚ひかりさんが語り合った。ホットな古今東西BL談義をお楽しみあれ。

芸術新潮編集長 高山れおな

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