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【特集】青池保子
騒がしき男たちとマンガの冒険

芸術新潮 2023年8月号

(毎月25日発売)

1,500円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/07/25

発売日 2023/07/25
JANコード 4910033050834
定価 1,500円(税込)
●目 次


【特集】青池保子
騒がしき男たちとマンガの冒険




〔第1部〕エロイカ篇

胸いっぱいの愛を、美しきものに捧ぐ

美術品泥棒と堅物少佐のハードボイルド・ワンダーランド
「エロイカより愛をこめて」

全員クセ強! 「エロイカ」キャラクター名鑑

  • 至福の「エロイカ」妄想美術館
  • 絵画室 有名無名にこだわりなし。狙った作品は逃さない
  • 彫刻室 彫像たちは誘惑する
  • 工芸室 華麗なる職人技に食指が動く

「エロイカ」アート・マップ

深読み青池ワールド(1)
“左向きのヨハネ”は何を語る?
文 浅野和生



〔第2部〕中世3部作篇

  • 円熟のわざで紡ぐ、歴史悲劇と捕物帳
  • 残酷王(エル・クルエル)と呼ばれた若者の愛と戦争の一代記
    アルカサル―王城―
  • 悩める剣豪修道士と修道院の愉快な仲間たち
    修道士ファルコ
  • 目じるしは赤マント まじめ役人の地道な推理劇
    ケルン市警オド

深読み青池ワールド(2)
青池作品にみる中世モード事情
文 伊藤亜紀

Interview
「エロイカ」そして、
中世3部作の創りかた

創る愉しさ、描く悦び
青池保子ヒストリー



〔第3部〕創作のヒミツ篇
秘蔵のスケッチ拝見!
構成+文 図書の家

展覧会案内



◆ Art News exhibition ◆

中園孔二が描きつづけた
色とりどりの景色、その彼方へ

人と交わり、人を描いた
津和野の絵師 山本琹谷(きんこく)

小児病棟に描かれた、
キース・ヘリングの壁画を日本初公開!

◆ Review ◆

  • 蔡國強
  • ZEN
  • 木島櫻谷
  • 松元悠「出来事との距離―描かれたニュース・戦争・日常」展より



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

国宝クラス仏をさがせ!〈32〉
最御崎寺 如意輪観音像

Goods & Shop

時と光の美術館〈76〉
ピアジェ

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈109〉
文 堀江敏幸

国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈32〉
選・解説 瀨谷貴之

山下裕二の
新・今月の隠し球〈19〉
藤森 哲(上)

大人のための印象派講座〈22〉
印象派はどのように研究されてきたのか
文 三浦 篤

中野京子
名画に見る悪の系譜〈14〉
悪を踏む

新連載 千住博の知となり肉となり〈1〉
豪雨とコロッケパン

幻々夢譚〈8〉
絵・文 と金

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈5〉
中村ゆり さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈103〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈37〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

時と光の美術館SPECIAL〈11〉
パテック フィリップ
技と美を追い続けて――

NFTアートカレッジ〈5〉Adam by GMO
NFTアートでどっぷり浸る
オニコロシ描く
リアルファンタジー

コンテンポラリーの
巨匠×伊ワインは
シンプルでエレガント

ART CAFÉ SPECIAL
ART CAFÉ
GALLERY'S PLAZA

最新号PICK UP

芸術新潮 2023年8月号
「エロイカより愛をこめて」よりNo.9「アラスカ最前線」SECT.6 扉絵 プリンセス1980年11月号 「漫画家生活60周年記念 青池保子展 Contrail 航跡のかがやき」出品作
©Yasuko Aoike(Akitashoten)

 7月14日金曜日、「漫画家生活60周年記念 青池保子展 Contrail 航跡のかがやき」の内覧会@神戸市立小磯記念美術館にお邪魔してきました。

 この日の気温は約30℃でしたが、いやそんなはずはない。アツい。この展示はものすごく熱い。

 デビュー作「さよならナネット」から、少女漫画の脱構築を図った「イブの息子たち」、大ヒット作のスパイ・アクション・コメディ「エロイカより愛をこめて」、そして壮大なる歴史劇「アルカサル―王城―」とそのスピンオフ「修道士ファルコ」、最新作「ケルン市警オド」(通称“中世3部作”)――錚々たる作品群のカラー&モノクロ原画に加え、当時の掲載誌や下絵、取材メモや資料写真など、300点以上が並ぶ会場は、まさに圧巻。青池先生の高度な画力と、西欧の歴史・文化に対する深い造詣がひしひしと伝わってきます。担当の金井紀子学芸員をはじめとするスタッフの皆さんの情熱が迸る展観となっていました。

「芸術新潮」8月号も負けじと、青池先生のディープな作品世界に迫ります。エロイカが愛した美術品の紹介や、“中世3部作”の読み解き、創作の礎となるスケッチ公開のほか、ビザンティン美術の権威・浅野和生教授と、服飾史家・伊藤亜紀教授による特別寄稿では、青池ワールドを深読みしていただきました。

 そしてもちろん、青池先生の特別インタビューも掲載。6月某日、都内某所にてお会いした先生は、ちょっとはにかんだような笑顔がとってもチャーミング。エロイカと少佐、彼らを取り巻く大勢の個性派サブキャラクターたち、そしてドン・ペドロやファルコ、オドといった“騒がしき男たち”はみんな、この華奢な女性の頭脳から生み出されたんです! その創作の原点について、お話をうかがうことができて、感無量……。

 青池先生のファン歴数十年の弊誌編集長及び編集部員より、愛読者の皆さまに愛をこめて、この特集を贈ります。

▼展覧会URL
神戸市:神戸市立小磯記念美術館 (kobe.lg.jp)

この号の誌面

編集長から

永遠の「エロイカ」
青池保子を深読みする

 少女マンガの伝説的な名作の数々が生まれた一九七〇年代。中でも異彩を放っていたのが美術品を狙う泥棒貴族を主人公とする「エロイカより愛をこめて」でした。異彩というか、レーベルはさておき、作品そのものは果たして少女マンガなのかどうか。なにしろ既刊三十九巻を通じて男女のラブロマンスは皆無、長身・巨体の英独ソ(時々、米仏伊も)のおっさんたちがヨーロッパ(時々、中東も)を股にかけてばたばたと走り回る、スパイ・アクション・コメディなのですから。特集「青池保子 騒がしき男たちとマンガの冒険」では、名作「エロイカ」をアートの視点で再読。続く中世三部作と併せて深読みします。美麗な作画と精緻なプロット、強烈な登場人物キャラクターたちが織り成す唯一無二の青池ワールドをお楽しみください。
 アート・ニューズでは、小誌に連載された評伝の単行本化が近い夭折の画家・中園孔二にフォーカス。開催中の大規模個展を、四国丸亀からレポートします。 

芸術新潮編集長 高山れおな

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「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。