【追悼特集】いまこそ知りたい!
建築家 磯崎 新 入門
芸術新潮 2023年10月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2023/09/25 |
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JANコード | 4910033051039 |
定価 | 1,500円(税込) |
【追悼特集】いまこそ知りたい!
建築家磯崎 新入門
鍵はこの12作だ!
建築探偵・藤森照信が挑む
磯崎 新の謎
解説 藤森照信
聞き手 磯 達雄
略年譜
[01]新宿ホワイトハウス
[02]大分県立大分図書館 現・アートプラザ
[03]孵化過程
[04]ふたたび廃墟になったヒロシマ
[05]群馬県立近代美術館
[06]つくばセンタービル
[07]ロス・アンジェルス現代美術館
[08]水戸芸術館
[09]有時庵(うじあん)
[10]大分県立図書館 豊の国情報ライブラリー
[11]フィレンツェ新駅設計競技案
[12]砂漠の寝所 Obscured Horizon
Book Guide
建築は消え、言葉が残る
磯崎 新の危険な図書館
選・文 磯 達雄
アートを横断するアーキテクト
荒ぶる「孵化培養器(デミウルゴス)」
――磯崎 新が美術/アートに打ち下ろしたもの
文 椹木野衣
世界で孵った磯崎流ミュージアム
磯崎 新 建築MAP
Travel Stories
九州で磯崎建築を巡礼する
“反建築家”磯崎 新を生んだ海、街、人
解説 菅 章
大分→別府→北九州→博多
3日でめぐる九州9つの磯崎建築
Memories of Arata Isozaki
ホンマタカシ
植田 実
横尾忠則
辛 美沙
ON THE COVER/EXHIBITION
◆ Art News exhibition ◆
日本一の西洋工芸コレクションが、
日本民藝館にやってきた
謎多き幕末の洋風画家
安田雷洲の襲来
呪符、占術書、暦……
モノからよみとく陰陽師
◆ Review ◆
- 三島正
- 「ミュージアムコレクションII 雑誌にみるカットの世界『世界』(岩波書店)と『暮しの手帖』(暮しの手帖社)」展
- 児玉靖枝
- 荒木珠奈
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈78〉
ルイ・ヴィトン
絵育のススメ〈2〉
川畑秀明
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈111〉
文 堀江敏幸
山下裕二の
新・今月の隠し球〈21〉
福田 亨(上)
中野京子
名画に見る悪の系譜〈16〉
悪夢
千住博の知となり肉となり〈3〉
毎日一万歩あるいたこと
幻々夢譚〈10〉
絵・文 と金
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈7〉
古賀純二 さん
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈105〉
◇ PICK UP ◇
movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈39〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
NFTアートカレッジ〈7〉Adam by GMO
手仕事の町・盛岡から見るクラフトとNFT、ふたつのマーケット
古美術から現代アートまで
見て、触れて、買える美の祭典「2023東美アートフェア」開催
柳ケ瀬画廊/靖雅堂 夏目美術店/門司ファインアートギャラリー/GALLERY NAO/柳井美術
秋のアートスポット
MIND TRAIL 奥大和
心のなかの美術館 2023
ART CAFÉ
GALLERY'S PLAZA
「大人のための印象派講座」は今月休載します。
最新号PICK UP
いまだかつてない「建築家・磯崎新論」の誕生!


この時、磯崎の建築はまだ大分市内にしか建っていなかった。撮影:松藤庄平(新潮社)
昨年12月に世界的建築家の磯崎新さんが91歳でお亡くなりになりました。アートファンならば、水戸芸術館や群馬県立近代美術館などの美術館建築で、その作品に触れられた方も多いでしょう。
小誌は磯崎さんがデビューまもない1960年代後半より断続的にその活動を追いかけており、貴重な写真がアーカイブに残っています[上下写真]。2000年以降は、その幅広い見識をたよりに、ガウディ、東大寺、日本建築史、丹下健三といった特集テーマを読み解くナビゲーターとしてご登場いただくことが多くなりました。
そんな小誌とも縁深い磯崎さんの作品と人生を、このたび、はじめて真正面から大特集することとなりました。といってもその建築も思想も、そう簡単に歯が立つものではないことは重々承知……。磯崎さん亡きあと、いったい誰が磯崎新を語り得るのか? 溢れる言説におぼれぬよう、その知の迷宮に迷い込まぬよう、なんとか磯崎新を解きほぐそう。そんな編集部の無謀ともいえる試みにお応えいただいたのは、建築史家・建築家の藤森照信さんです。藤森さんには12の磯崎作品を選んでいただき(多くが実際に訪れることのできる現存の建築です)、そのみどころや建築史的意義を語っていただきました。驚異的記憶力の持ち主である藤森さんは、磯崎さんご本人から聞きおよんだという貴重なエピソードも織り交ぜつつ、「稀代のアーキテクト」の核心に迫り、これまでになく明解な磯崎論が誕生しました。
さらに編集部は作品が点在する大分、北九州エリアへと飛び立ち、数十年の時を経てなお放たれるアヴァンギャルド建築のオーラを目の当たりにもしてきました。こちらは撮り下ろし写真で構成される紀行「九州で磯崎建築を巡礼する」にてぜひご確認ください。
「反建築」を標榜する建築家であった磯崎さんですが、その仕事や人生について学ぶ中で知りえたのは、やはり「建築」のおもしろさやその懐の深さだったように思います。ぜひこの機会に「建築家・磯崎新」の強靭な知性と溢れる創造性をご堪能ください。




この号の誌面
編集長から
初めてだ! こんなにわかりやすいイソザキは
難しいことをわかり易く――これは常に心掛けていることではありますが、今回の特集作りに当たってはとりわけ強く意識しました。なぜか。磯崎新の追悼特集だからです。
昨年暮、91歳で逝去した磯崎は、2019年に建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞するなど、最晩年に到っても存在感は抜群でした。問題は、彼が極めて多産な言説の人でもあったこと。その影響は美術や文学、思想の領域にも及ぶ程ですが、それだけに、うかつに足跡をたどろうとすると、知と創造の迷宮に踏み入る感あり。しかし、ご心配なく。建築探偵・藤森照信氏が、アリアドネの糸をたぐり、みごと迷宮を突破しました。12の磯崎建築を読み解くと共に、「孵化過程」「デミウルゴス」といった磯崎一流の難解な概念が、そうだったのか!と腑に落ちる楽しさ。撮りおろし写真による建築グラフと合わせ、この稀代のアーキテクトを偲ぶためのまたとない1冊となりました。
芸術新潮編集長 高山れおな
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