【特集】ひみつの京都
芸術新潮 2023年11月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2023/10/25 |
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JANコード | 4910033051138 |
定価 | 1,500円(税込) |
【特集】ひみつの京都
For Promenaders in Kyoto
京都わくわくMAP
至福の“京風”モダン建築巡り
案内人 笠原一人
- “古都”的近代建築とは何か
文 笠原一人 - I.教授建築家の挑戦
- II.教会建築家の遺産
- III.和モダン建築の歓び
- IV.茶寮のくつろぎ
千 宗屋
最高峰の神仏と出会えるご近所さんぽ
雨宝院/樂美術館/石像寺/千本釈迦堂/北野天満宮/大将軍八神社/四君子苑
ゆったり過ごしたい隠れ家美術館
河井寛次郎記念館/白沙村荘 橋本関雪記念館/重森三玲庭園美術館/アサヒグループ大山崎山荘美術館/京都国立博物館/細見美術館/福田美術館+嵯峨嵐山文華館
……and more
二尊院《二十五菩薩来迎図》大開帳
コラム
銀幕の京都
文 入江敦彦
編集部の独断と偏見でお勧めするお店、ギャラリー、食事処
ヒトの魅力とモノの磁力の交差点
骨董市・骨董店へいこう
案内人 青柳龍太
古都と骨董と私
文 青柳龍太
東寺のガラクタ市/平安蚤の市/古美術 田附/スタジオものや/大吉/Soil/古美術 いもと/YAMADA MPD ART CLUB/古美術 今出川/bild
「よそさん」と場所の力
――京都現代文化芸術イベント
文 小崎哲哉
◆ 第2特集 ◆
空前絶後の北宋書画展
5つのランデヴー
◆ Art News exhibition◆
横尾忠則
「画家の老醜」を突き抜けて
文 浅田 彰
特別記事 前編
中世の恐怖と笑いと官能――
《長谷雄草紙》に画家・諏訪 敦が挑む
文 諏訪 敦
◆ Review ◆
- ソー・ソウエン
- 杉本博司
- 𠮷田多麻希
- 来田広大「新・今日の作家展2023 ここにいる――Voice of Place」より
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈79〉
ブシュロン
絵育のススメ〈3〉
上野行一[前編]
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈112〉
文 堀江敏幸
大人のための印象派講座〈24〉最終回
印象派の最期
文 三浦 篤
中野京子
名画に見る悪の系譜〈17〉
貧困
山下裕二の
新・今月の隠し球〈22〉
福田 亨(下)
千住博の知となり肉となり〈4〉
現代日本画とは何だったのか
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈8〉
吉田智誉樹 さん
幻々夢譚〈11〉
絵・文 と金
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈106〉
◇ PICK UP ◇
movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈40〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
アートスポット in 京都、奈良、滋賀
カエデ エリシアキョウト/京都BAL/ギャルリーためなが 京都/ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts/翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都/紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良/JWマリオット・ホテル奈良/有斐斎弘道館/近江綴園/KYO AMAHARE/登大路ホテル奈良
NFTアートカレッジ〈8〉Adam by GMO
NFTアートになったミステリアスな少女たち
濱野年宏
東西芸術の調和の架け橋
上原美術館で出逢う
伊豆の仏像 調査40年の軌跡
中国陶磁史が生んだ至宝たち
繭山龍泉堂で一望する「青磁」の輝き
千住博 革新こそが伝統の要諦
MASI×浅井康宏
最高級赤ワインと漆芸のコラボレーション
連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈57〉
興福寺《法相六祖坐像》
画業30周年 超大作に挑む
三嶋哲也の静かなる激情
ART CAFÉ
GALLERY'S PLAZA
最新号PICK UP
31年前の杞憂
「揺れ動く京都」――これは今から31年前、「芸術新潮」1992年12月号の大特集のタイトルです。編集部にあるバックナンバーをめくってみると、白洲正子さん、上田篤さん、井上章一さんによる放談会「滅びゆく“京都”に花束を」なんて記事が……。JR京都駅が完成したら、どんな景観になるのか?というCGによるシミュレーションのグラフページまでありました。あの頃はみんな、古都の町並みが変わり、伝統が失われていってしまうことへの不安でいっぱいだったようです。
たしかにインバウンドの観光客でにぎわう今の京都は、あの頃には想像できなかったかもしれません。今回、「ひみつの京都」と題してご紹介するのは、けっして古都の裏事情やあやしげな界隈というわけではありません。応仁の乱を生き延びたお寺や、東京のそれとはいっぷう異なるモダン建築、骨董屋さん、国際文化イベントまで、京都の奥にひそむ新旧さまざまな顔を取材するうち、この町は古いものを護ってきた一方で、絶え間なく「よそさん」のエネルギーを取り入れ、活用し、新陳代謝を続けてきたんだなぁということを実感させられました。JR京都駅ではガメラも元気に暴れていますし(入江敦彦さんの京都映画エッセイ、おもしろいのでぜひお読みください!)。
31年前の弊誌にかかわってくださったみなさんに、杞憂に終わってよかったですねとお伝えしたくなる、古都の明るい未来を感じられる特集にご期待ください。
この号の誌面
編集長から
京都の町なかにひそむ
魅惑の穴場へ
紅葉のシーズンを前に、小誌では「ひみつの京都」を特集しました。思わせぶりのタイトルですが、京都の暗部やら怪しげな場所やらが出てくるわけではありません。ただ、これまでも気になっていながらまだ足を向けていなかった、魅惑のスポットがずらりと揃いました。
建築史家・笠原一人さんがご案内するのは、東京とはひと味違う“京風”モダン建築の数々。京都在住は2021年からと日は浅いのに、あるいは浅いゆえに、新鮮な目で選り抜いた骨董市・骨董店を教えてくれたのは現代美術家の青柳龍太さん。茶人・千 宗屋さんにはあえてご近所自慢をしていただきました。ふだんの散歩コースで最高峰の神仏像と出会えてしまうのは、さすがは京都。現代文化芸術イベントのことは小崎哲哉さん、“京映画”については入江敦彦さんが熱く語ります。で、編集部からは「ゆったり過ごしたい隠れ家美術館」を厳選してのお届け。読めば京都へ行きたくなってしまうこと、請け合いです。
芸術新潮編集長 高山れおな
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
芸術新潮とは?
「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。