【大特集】本阿弥光悦の眼 えらび・ひろげ・つくる
芸術新潮 2024年1月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2023/12/25 |
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JANコード | 4910033050148 |
定価 | 1,500円(税込) |
【大特集】本阿弥光悦の眼 えらび・ひろげ・つくる
巻頭グラフ
信仰と芸術のあいだ
光悦はいかにして光悦となったのか?
解説 松嶋雅人
本阿弥家と法華信仰
文 安中尚史
光悦さんぽ
鷹峯から上京区本阿弥辻子へ
書
紙と墨の黄金比
解説 根本 知
漆
温故知新のアート・ディレクター
解説 福島 修
陶
明るい茶碗
光悦と私
(1)四百年ぶりの帰還 潮田洋一郎
(2)金属から入る 内田鋼一
(3)天衣無縫の独楽茶碗 千 宗屋
妙秀グレートマザー伝説
~『本阿弥行状記』より
イラストレーション 伊野孝行
展覧会案内
◆ 第二特集 ◆
なにわ女子のきらめき
近代大阪画壇ものがたり
◆ Art News interview ◆
桑島十和子
「美術監督」という幸せなしごと
◆ Art News exhibition ◆
やさしくてあったかい
みちのくの仏さま、大集合!
◆ Review ◆
- マーク・ディーン・ヴェカ/
- 「となりの国の絵本 躍動する韓国イラストレーションの世界」/
- 倉俣史朗/金子富之
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈81〉
ショーメ
時と光の美術館〈81〉
SPECIAL
ヴァン クリーフ&アーペル
絵育のススメ〈5〉
ポーラ美術館
新連載 とんぼの手帖〈1〉
劉生、さいごのお正月
◇ 連載 ◇
幻々夢譚〈13〉
絵・文 と金
千住博の知となり肉となり〈6〉
新春特別対談
お相手 井上洋一 様
文化交流が育む豊穣なる世界
山下裕二の
新・今月の隠し球〈24〉
神谷 恵(下)
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈10〉
十六代 樂吉左衞門 さん
定形外郵便〈114〉
文 堀江敏幸
◇ PICK UP ◇
movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈42〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
冬の芸術村でひたる
光悦の「美」
しょうざんリゾート京都
ROKU KYOTO,
LXR Hotels & Resortsに泊まろう
KYO AMAHAREで出会う
空間の記憶とモノのときめき
最先端の絵筆で着物を描く
東村アキコのNEO美人画2023
伊勢の神域にギャラリー誕生!!
―二見興玉神社境内地内 海風美術店―
NFTアートカレッジ 10 Adam byGMO
SNSで交流し、NFTで販売する
帰ってきた絵のある暮らし
連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈58〉
円成寺《大日如来坐像》
ART CAFÉ SPECIAL
GALLERY'S PLAZA
「千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗」は今月休載します。
最新号PICK UP
光悦の、気味わるいほどの奥行
吉川英治『宮本武蔵(三)』(新潮文庫)より。武蔵は初めて本阿弥光悦に出会い、お茶をふるまわれた際に、その茶碗を見てこんなふうに思ったそうです。
〈そこらの土を子供が捏たように不器用に見える茶碗だった〉
ところがお茶を飲み終わってあらためて茶碗を見つめるうち、
〈その茶碗から心へひびいて来るなにものかに烈しく打たれた〉
そして、茶碗についての感想を求められると、こう答えています。
〈刀でいえば、相州物のように、斬ればどこまでも切れる。けれど麗しいにおいでつつんでおくことを忘れない。また、この茶碗の全体のすがたからいえば、非常に素朴には見えるが、気位といいましょうか、どこかに王侯のような尊大な風があって、人を人とも思わないところもある〉
さすが剣豪、刀剣鑑定を家職にしていた光悦という人間を、本人の作った茶碗を通して見抜いてしまうという展開です。
江戸時代初期に活躍したマルチアーティスト光悦の展覧会(2024年1月16日~3月10日)が東京国立博物館で開催されることを機に組んだ弊誌の特集では、信仰心、書、漆、陶などさまざまな視点から光悦に光を当てています。但しその人物像については、21世紀に伝わってきた品々と数多ある伝説から想像を膨らませるしかありません。吉川流には〈粗朴な茶碗のような姿をしていて、実はその裡に隠している人間的な奥行の深さを――武蔵は気味わるいほどに思った〉と表現されています。その気味わるいほどの奥行を、誌面で味わっていただければ幸甚です。
この号の誌面
編集長から
光悦となにわ女子
それぞれの美の軌跡
池田大作氏が亡くなりました。大特集「本阿弥光悦の眼」の主人公は、日蓮法華宗の在俗信徒のリーダーで文学好きの教養人。見方によっては、何やら池田氏に似ているような……。
それはさておき、本阿弥光悦はもちろん実在の人物です。生没年も両親や息子の名もわかっている。一方で、光悦とはひとつのブランドの名称でもあります。書・漆・陶と複数の分野にまたがり、桃山文化の一頂点をなすブランドとしての光悦――そのイメージは、じつは時代時代で、大きな揺れを見せてきました。特集では、「えらび・ひろげ・つくる」をキーワードに、個人光悦とブランド光悦を現代の視点で重ね合わせ、全貌を探ることを試みました。
時代による評価の大きな揺れという意味では光悦以上なのが、第2特集「なにわ女子のきらめき 近代大阪画壇ものがたり」でご紹介する大阪の女性画家たち。彼女たちの運命にさまざまのことを思いつつ、その作品の素晴らしさをご堪能ください。
芸術新潮編集長 高山れおな
これだけは見ておきたい2024年美術展 Best25 and More !「芸術新潮 2024年1月増刊号」
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