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【特集】ムッシュ印象派 モネのすべて

芸術新潮 2024年11月号

(毎月25日発売)

1,500円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2024/10/24

発売日 2024/10/24
JANコード 4910033051145
定価 1,500円(税込)
●目 次

【特集】ムッシュ印象派 モネのすべて

| よみもの年表 | 旅した! 描いた!!
15分でわかるムッシュの86年

意外とおちゃめな巨匠の素顔 Anecdotes sur Monet

| MAP | ムッシュ印象派 旅の軌跡

  • 売れっ子への道
    ――ムッシュ印象派の華麗なるマーケティング戦略

    解説 亀田晃輔
  • 1 遊歩者としてのまなざし
  • 2 印象派展すったもんだ
  • 3 画商=批評家システムの誕生
  • 4 画家×作家 最強タッグで快進撃
  • 5 祖国フランスへの想い
  • 6 抽象画家の先駆けってほんと?
  • 印象派展全8回年表

| コラム |
1 網膜と筆触分割
2 みんな大好きジャポニスム
3 象徴派としてのモネ?

  • 開講! なにがすごいの?
    岡﨑乾二郎流モネ鑑賞教室
  • 1限目 カリカチュア
    「兆候」を逃さない感受性
  • 2限目 《印象、日の出》《草上の昼食》
    未来を内包する映画的視覚
  • 3限目 2枚の「食卓」
    雄弁すぎる“朝ドラ”な絵
  • 4限目 妻カミーユの歩む道
    風景のなかにただよう徴(しるし)
  • 5限目 連作「ルーアン大聖堂」
    “顔色”のちがう風景と抽象絵画
  • 6限目 オランジュリーの「睡蓮」
    「わたし」を溶解させる装置

現地レポート
モネが夢見た120年越しのロンドン展

「モネ 睡蓮のとき」担当学芸員山枡あおいさんに聞く
ムッシュ印象派、最後の挑戦

展覧会案内


◆ Art News exhibition ◆

3分間から数千万年へ
 Nerholがゆく時の地層

切迫した時間の中で
「夭折の画家」「戦没画学生」再考
文 木下直之

◆ Art News interview ◆

往きながら還っている内藤 礼のいま
聞き手 加藤木礼

◆ Review ◆

  • 真鍋大度
  • 石崎光瑤
  • 大西麻貴+百田有希 / o+h
  • 山下陽光

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈91〉
ショパール

時と光の美術館〈91〉SPECIAL
ヴァン クリーフ&アーペル

とんぼの手帖〈11〉
桃山の源氏物語

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈124〉
文 堀江敏幸

三浦篤×森村泰昌
キテレツ絵画の逆襲〈4〉
日本近代洋画を見つめなおす
山本芳翠の訛(なま)
ゲスト:日比野克彦

千住博の知となり肉となり〈16〉
この光が見えていますか?

山下裕二の
新・今月の隠し球〈34〉
深津真也(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈20〉
五代龍村平藏さん

幻々夢譚〈23〉
絵・文 と金

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈117〉

◇ PICK UP ◇

movie 佐々木敦
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈52〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

時と光の美術館SPECIAL
パテック フィリップ
自然と人間の叡智へのオマージュ

対談 生と向き合う
明治安田生命保険 取締役代表執行役社長
永島英器×小説家 川上未映子

戸田建設の
ARTが溢れる街づくり〈1〉
戸田建設 代表取締役社長 大谷清介

岩谷晃太が目指す「不易流行」
日本画、その先へ

おでかけシーズンがやって来た!
秋のアートスポット

異国情緒千年の歴史を紡ぐ
松浦史料博物館
至宝の古美術「修復の旅」

始めよう! NFTアートカレッジ〈8〉
Adam by GMO

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈63〉
薬師寺《仏足石》

日本近代洋画のミカタ〈4〉
五姓田派のプリンス

ART CAFÉ
ART CAFÉ SPECIAL
GALLERY'S PLAZA

最新号PICK UP

没入感のその先に

芸術新潮
モネ《草原の散歩、アルジャントゥイユ》 1873年 RISD(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)美術館蔵

「芸術新潮」では32年ぶりのモネ特集です。
 ご存じのとおり、印象派を代表する巨匠は日本でも人気者なので、モネ展やモネ関連展は、規模の大小はあれ、ほぼ毎年と言っていいほど国内のどこかで開催されています。10月5日から国立西洋美術館で始まった「モネ 睡蓮のとき」(~2025年2月11日、京都、豊田への巡回あり)は、晩年の作品を中心とした展覧会。本特集はこの展覧会を機に組んだのですが、21世紀の視点からモネをあらためてまるごととらえなおしてみようと、少々よくばりながらその「すべて」を射程に入れました。
 一時期は二家族12人を養うため、貧乏のどん底で描きまくるだけでなく、どう市場を開拓してゆくべきか、作品をどう見せるのが効果的なのか、モネは冷静に戦略を立てています。悪態をつきあいながらもつよい友情で結ばれた政治家クレマンソーとのエピソードも、泣ける。そして、彼の絵の中には、ただ心地いいだけではない、さまざまな「兆し」が描き込まれ、鑑賞者との間に物語が発動するような仕掛けもほどこされています。
 Don’t think. Feel! とブルース・リーは言いましたが、モネの絵に対峙して何かを感じたら、さらにその奥に、その先に、ひろがってゆく世界を味わってみてほしい。そんな、絵を見るヒントが得られる特集になりました。
 Feel, then think!

この号の誌面

編集長から

21世紀のためのモネ入門
最新知見で探る、気配と物語に満ちた作品世界

 国内で展覧会が多い西洋人画家といえば、ゴッホとモネがまあ双璧。オールドマスターと違って現存作品が多いというのが前提条件ではありますが、それにしてもこの愛されぶりはただごとならず。ゴッホはさておき、なぜモネなのか。その覇権のひみつに迫る画期的なモネ特集をお届けします。
 片や気鋭の若手研究者・亀田晃輔氏は、美術の評価システム自体をパラダイム転換させてしまった戦略家としてのモネの姿を、一次資料の再検討を通じて緻密に浮かび上がらせる。こなた現代美術家随一の論客・岡﨑乾二郎氏は、僕はモネのファンじゃないんだけど……とぼやきつつ、作品に向かい合ううち何かのスイッチが入り、「兆候」を逃さないカリカチュアリストの感受性が可能にした表現世界を奥へ奥へと踏破する。
 晩年の作品群からなる「モネ 睡蓮のとき」が開催中(~2025年2月11日 国立西洋美術館)。全く新しいこの入門篇、鑑賞体験を格段に深めるはずです。

芸術新潮編集長 高山れおな

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芸術新潮とは?

「暮らし」はアートであるをキャッチフレーズにあらゆる事象を「芸術」という観点から検証し、表現する「芸術新潮」。1950年に創刊され、歴史と文化を見続けてきたハイクオリティなアートマガジン。歴史的な芸術作品から、建築、古美術、現代アートまで、あらゆる「美しきもの」を独自の切り口で紹介しています。