最愛の人に教えてもらった｢キッチン｣
ふと、疲れた時に読みたくなる優しさに満ち溢れた本。たくさんの幸福に包まれて、明日からも生きていける。そのための本です。
この本に出会い、私もまた｢キッチン｣に立つ人間として生きられている今を幸せに思います。私の原点。ありがとう。

華鈴

読書感想文の指定図書の一つであった「キッチン」。吉本ばななさんの本を読んでみたいと思い選びましたが、心から良い本に出会った、そう思えた一冊です。個人的には弱く見えて強いみかげが好きです。様々な闇を抱えながらも、ただ生きているだけながらも、自分にとって大切なものを見つけられるみかげに心打たれました。

愛実

「キッチン」と出会ったのは高校一年生のときでした。
自分が今まで言葉にしたくても出来なくて、心の中にしまいこんでいた感情が すーっと解放されていくのを感じました。
　ばななさんの言葉を目で追い、口ずさむたびに私の心が力強く波打ち、澄んでゆくような気がします。
辛いとき、泣きたいとき、ほっこりしたいとき
私のそばに寄り添ってくれる存在になると思います。

Ai

この本を読んで昔の自分を思い出させる1冊でした。
私は父の都合で転勤があり、色々な出会い、別れを経験したことを思い出しました。
何年経っても昔の出来事を思い返すこともあります。

tokujun

キッチンと17歳で出会ったわたしは、そののち多くの歳月が流れても、ときどきそっと美しい装丁の本を開いて、みかげと一緒に、冷んやりとした台所に入って行く。
そこはいつでも、台所の窓からのぞく哀しい月や冷蔵庫のぶぅんという安心できる音と、美味しいものを待っているやさしい人たちで満ちている。
そこで拾ったかけらを大切に持ち帰って、また日々の暮らしに戻ってゆく。わたしを待っているキッチンに。
もう30年たったのですね。大切な本をありがとう。

keika

小学一年生のとき、事故で父が亡くなった。覚えているのは通夜で母が泣くたび、つられて泣いたことぐらいだ。
それから小学三年生を迎えたある夜、リビングの本棚を見ていた。両親ともに本が好きだったから、たくさん本があった。その中に、『キッチン』もあった。
開いてみたものの、小学三年生じゃすべてはわからなかった。でも正直、驚いた。他の物語で描かれていたような、死に対する過剰に溢れた感情はなく、静かにやわらかく死を受け入れていたから。
同時に、これでいいんだ、と思えた。「死は特別な出来事だけれど、人生の中で普遍的に起こるものだ」と諭されたようで、どんな言葉よりなぐさめられた。
その後も、何度もキッチンを読んだ。数年経って、ようやくちゃんと全部読めた。うれしくて、他の作品も全部読んだ。
26歳になって、本棚には今も『キッチン』がある。そこあるだけで励まされるけれど、これからも、何度でも読み続けようと思う。

しゃけ

初めて読んだのは大学生の時でした。
物語からたちのぼる優しい空気が大好きで繰り返し繰り返し読みました。
それから住む所が変わるたびに手放して、また購入をして、ここ10年くらいは手許になかった小説。
最近、書店で手にすることがあり10年ぶりくらいに読みました。
夏の始まりのみずみずしい空気、登場人物の奏でる優しい空気感、、初めて読んだ時の思い出もあいまってなんともいえない懐かしさと物語から感じる優しい空気に安心して、号泣してしまいました。
大人になった今だからこそ、自分に必要な物語なのだなととても思いました。そして、昔よりも深くキッチンを味わえるようになっていることにも感謝。
この先の人生はいつも近くに置いておきます。
吉本ばななさんこんな優しいものがたりを本当に、本当にありがとうございます。

sally

子どもらしい子ども時代のなかった私
日々生きることに、なんとなく息苦しさを感じてきました。常に心に溢れる疑問、感情を抱えている私の中に、すっと入って寄り添ってくれる、そんな言葉に出会えたことを幸せに感じています。
３０周年、心よりおめでとうございます。

はる

　たしか、高校生のとき。わたしは、体調を崩し
寝ていた。なんだか、受験にもこれからの人生にも
不安だらけで、いつも地に足がついていない不安定な
時期だったと思う。なんで『キッチン』を手にとったのかなあ…(なぜか、あったのだ)。今ではもう覚えていないけど、とにかく読み進めた。布団にくるまって。読んでいくうちに、なんだか本当に自分の不安やら辛い気持ちがシャワーの水滴のようにするっと落ちていくのを感じた。あの、感覚はなんだったのだろう。もう少し、自分の気持ちに正直にがんばってみようかな、とベッドから起き出したところは今でもすごくよく覚えている。
　思い出してきました。また、あの感覚を。また、読み返そうっと。

えと

中３の時、ミーハー心から何気なく友人に借りて読んだ本。
はっきりした感想は述べられない。けど、ただ読みきったあとの気持ちが満たされた感と、また頑張っていこうかなと思わせてくれる感。
お年玉で自分の本として購入し、育児に追われている今もカバーのない状態で私のそばにあり、たまに心が疲れたとき、もやもやしたとき、手を伸ばしているそんな本はもう２８年も私と一緒。これからも…

よっち