当時中学生。母から薦められて単行本を読みました。静かで美しい文体に、すっかり心を掴まれました。あまりに好きすぎて、ワープロで書き写したのを思い出します。あの独特の、しんとした空気は、今でも心に残っています。
kpjr
当時中学生。母から薦められて単行本を読みました。静かで美しい文体に、すっかり心を掴まれました。あまりに好きすぎて、ワープロで書き写したのを思い出します。あの独特の、しんとした空気は、今でも心に残っています。
kpjr
私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。みかげはその言葉から語り始める。みかげにとっての台所は、私にとってはこの一冊の本だと思う。自分でも気づかないうちに、暗い穴に落ちてしまって気がついたときにはどうしたら抜け出せるのかわからなくなっていたとき、「キッチン」は一筋の光だった。いつでもあたたかく光っていて自分の今を真正面から受け止められるほんの少しの力を与えてくれるのだ。そして読み終わると決まって本当のキッチンにたつ。だし巻き玉子を作る。簡単なようで難しい、私の大好物だ。そうして出来上がっただし巻き玉子をみて、まだ私は大丈夫だと再確認するのだ。これからも何度も落ち込んでは立ち上がり、を繰り返して生きていくのだろう。その手にはいつでも「キッチン」があるように思う。それは甘いバナナジュースであり、力のでるカツ丼であり、だし巻き玉子である。
もこ
50年前は姑のお城だった。手つくりのみそ、梅干しはもちろん、味も色も濃いしょうゆもあって、伝統の重さに押しつぶれそうになった。今??
わたしのお城! 細長く12畳の広さなのは、大勢のお客さんをよべるから。お客様は、農家の隣人、社会活動を仲間、同人誌の仲間。この空間で、どれだけ楽しく有意義な交流があったかわからない。お城は、時々夫にも貸してあげる。夫の得意料理は、焼きなすと、餃子と、おなますである。
草の実
高校生のとき、地味な私にも気さくに声をかけてくれるおしゃれな同級生に勧められたのが、キッチンでした。憧れの友だちが貸してくれたこともあったかもしれませんが、キッチンの世界観に惹かれ、それからずっと、キッチンは私の心の友です。一人旅とか、大きな試験とか、苦しいときとか、ノリノリのときも、いつも一緒です。
chaco
兄が買ってきた本の中に『キッチン』がありました。
いつもなら留守中にこっそり読むのですが、当時チェッカーズが発表した『Room』という曲が、この作品からインスパイアを受けて出来上がったと知った事もあり、どうしても自分で欲しくなって購入して読みました。
優しくて、いびつささえも愛しくて、繰り返し何度も同じストーリーの世界へ入りました。
哀しさとも嬉しさとも言い難い涙が溢れた作品は、他にまだ触れた事がなかったように思います。
この現実の世界のどこかに、あの優しい人たちがいるような気が、時々しています。
友
キッチンから30年ですか... 自分も歳を重ねるわけです 笑
雑誌「SWITCH」に紹介されてて武蔵新城にあったあの早川義夫さんの「早川書店」で買って夢中になって読みました
「キッチン」も好きなのですが所収された「ムーンライト シャドウ」が堪らなく好きです 当時のガールフレンドたちに読んでもらいたくてこの本を何冊プレゼントしたか... 笑
あいにく今この本が手に無いので久しぶりに手にして読んでみようと思います
「キッチン」の話から外れてしまってすみません 笑
ピートハム
はじめて読んだのは高校生のときだったのかな?それから何度も何度も読んだ文庫本。薄い本で、なのに心揺さぶられるから、大学時代に、留学いったときも迷わず選んで持っていった。大事な彼にも共有したくて、貸したっけな。
いまは、生まれてくる子供の名前を考えていて、大好きなキッチンに出てくる男の人の名前はなんだったかな?とここにたどり着きました。人生の大事なときに必ず思い出す本です。
はる風花
キッチンは私のバイブルです。最初に読んで何ていい人ばかりの物語なんだろうと思いました。屈折した思いを抱えていた高校生のわたしにとって、キッチンは私の安らぎの場所でした。
えりこさんのみかげへのアドバイス、雄一のちょっと気弱な優しさ、透明感の溢れる文体、どれをとっても大好きで、いとおしくて泣きながら読みました。一緒に収録されているムーンライト・シャドウも泣きながら読みました。
あんなに多感なわたしを今は懐かしく思います。
フォン
私が人生で初めて読んだ、いわゆる大人向けの本は「キッチン」でした。銀色の美しい装幀に惹かれて父の本棚から拝借し、子ども心に「なんて素敵な世界を見せてくれる本なんだろう」と感銘を受けました。ページから月の光が溢れてくる感じがしました。そのときの何とも言えない気持ちは数十年経った今でも鮮明に覚えています。私の初恋の人は雄一で、大人になったら「寒い!」と言って好きな人の胸に飛び込むんだ、と空想したものでした。叶いませんでしたが。(笑)
「キッチン」をきっかけに本の虫となり、たくさんの素敵な本に出会えました。でもいまでも「あなたの大好きな本は?」と聞かれて真っ先に答えるのは「キッチン」です。
bookworm
13歳のとき、生まれてはじめて手に取った文庫本が、キッチンでした。
少し背伸びして大人に近づいた気持ちがしてうずうずしたこと、
教室の窓側の席庭って読んでいたときの陽射しがまぶしかったことまで、
20年近く過ぎた今でも、みずみずしく思い出すことができます。
citron