食欲の出ない時期が長く続いたときに、【キッチン】にイキイキと描かれた[カツ丼]を想像し、お腹が空いたなーという感覚を呼び起こしていました。
なんて、美味しそうなカツ丼だろう!と感動してから繰り返し読んでいました。
私の危機はこの[カツ丼]によって救われたのかもしれません。
茶ッキー
食欲の出ない時期が長く続いたときに、【キッチン】にイキイキと描かれた[カツ丼]を想像し、お腹が空いたなーという感覚を呼び起こしていました。
なんて、美味しそうなカツ丼だろう!と感動してから繰り返し読んでいました。
私の危機はこの[カツ丼]によって救われたのかもしれません。
茶ッキー
10代の時、世界の見え方が変わってしまった出来事がありました。前に進まなくてはいけないのに進みたくなくて、どうしていいか分からず、重苦しい気持ちを抱えながら手に取った1冊です。実は、その数年前にすでに読んでいて、その時の記憶が再び手に取らせたのでした。1度目のキッチンはただの本でした。でも、世界の見え方が変わってしまった私にとって、2度目のキッチンは私の新しい世界そのものでした。繰り返し読み、そこに描かれた世界に、その世界で言葉を紡ぎながら語る登場人物たちに、私は背中を押され、見え方の変わってしまった世界に歩き出す事が出来るようになっていました。
ずっとばななさんの作品の中でキッチンは特別な1冊。英国へ留学する時も、実家を出る時も、常に手放さず人生を共に歩んできた大切な1冊です。最初の1冊はボロボロになってしまい、今は2冊目のキッチンが傍らにあります。そしてきっとこれからも。
yukarin
高校の時クラスでただ一人の友達の子が「『キッチン』読んだ事ある?」と教えてくれた。大人になりその子は結婚し他の街にいき会う事は無くなったけど今でもあの一言がなければばなな作品に出会えなかったかも≒人生の中でよい風に沢山影響を受けなかったかもと思う。外国の人が「日本人?私は『キッチン』が好き」というので「えり子さんがとても好き」と答えたら「わたしも!」と感激してくれた。とても好きだったので忘れられない男の子もまた『キッチン』を読んでいる人で「いつも『二人で地獄の釜をのぞく事がある』よね」なんて台詞を引用してはものを言っていた・エトセトラ。人生の色々な処に『キッチン』がちりばめられている気持ち。人生の中に吉本ばなな作品を運んでくれた大切な作品でこれから誰かに吉本ばななを薦めるならわたしもまず『キッチン』を薦めると思う。沢山の方と同じ様に、
わたしが一番好きな作品は『キッチン』だと思う
dokurokurage
恋人は、何でも濃い味付けが好きだった。
私がキッチンに最後に立ったのは、同棲をしていた彼と別れを決め、その部屋で1人で過ごしていた日だった。真夜中の3時頃、ふと思い立ってツナとマヨネーズの炊き込みご飯と、キャベツのお味噌汁を作った。この部屋に1人になるのは、後にも先にも最後だと思う。今までのこと、2人の思い出、言えなかった言葉、全てを味噌と一緒に溶かした。そんな隠し味に彼は気付くだろうか。しょっぱいかなと思うくらい、濃いめのお味噌汁は、あなたの帰りを待っていた。
同棲生活が初めて実家を離れて暮らす事になった私には、このキッチンが、今までのことを教えてくれる。怒ったこと、泣いたこと、それ以上に一緒に笑ったこと。そして他愛ない話と愛のあるご飯、どれも幸せの一部だったということを、ずっと忘れないだろう。
雨宮
『キッチン』と私、同じ誕生日だったんだ!今年の誕生日、嫌なことがあった。正確には、ありそうだった。世界に神様っているんかな。この6年、何回も繰り返しそう思いました。そんななかアルバイトを始めた喫茶店には、誰でも読めるお客さんやスタッフのマイ本箱がありました。昼休憩の読書に手にとったキッチン。代表作なのに読んだことなくて、誰が寄贈したのか分からなくてどの本箱にも収まってなかったキッチン。喫茶店のキッチンの中で読むキッチン。何百冊の本の中から手にとったキッチン。昼休みの度に少しずつ、一気読みを我慢して。誰のものでもないこのキッチンを、私の本箱にある『TUGUMI』の横にそっと置きたくなりました。つらいとき、いつも私を夢中にさせてくれるよしもとさんの世界があって、私もきっとこんな世界の中にいる。これからも何かあっても誕生日は絶対に悲しくならない。『キッチン』と同じ誕生日だから。とても嬉しいです。
2歳年上
はじめて『キッチン』を読んだのは12歳の春。まっさらな中1の最初のクラスで、ひとつ前の席だった子が薦めてくれたのがきっかけでした。「本が好きなら“吉本ばなな”がいいよ」。学窓に桜が揺れて、緑板にチョークの匂い。糊の効いたセーラー服。陽の当たる階段。ちょっと狭めのグラウンド。何度も通った図書室の貸し出しカードに鉛筆書きの癖字。32歳になって彼女とは疎遠になってしまったけれど、『キッチン』はあの日の真新な色や香りを連れてきてくれます。本棚に詰め込んでる文庫や新書や単行本の中から取り出して久々に読んでは見たけれど。社会人になって、地元を離れ、自分の部屋とキッチンを持ったけど、私20年前とあんま変わんないなぁ。
あすか
初めて自分からほしいと思って買った本です。何度も何度も読み返しています。
小さいころからいろんな本を与えてもらいましたが、読書は本当に嫌いでした。
短大に入学して一人暮らしを始めて、近所の本屋さんで何気なく手にとって、ちょっと立ち読みしたらどうしても手元に置きたくなり、買いました。それから30年、いまだに何度も読み返します。キッチンのおかげで、本を読む楽しみを知りました。今はたくさんの本に囲まれて好きな時に好きな世界へ行くことができます。幸せです。本当にありがとうございます。全部キッチンと巡り合えたおかげです。感謝です。
ねねちん
中学生の時、心に刻むように読んだキッチンを15年たった今も持ち続けています。住まいや家族の形が何度変わってもこの本だけは。料理本の並ぶ私の台所に置いてます。大人になってからは、迷った時に台所でページをめくって会いに行きます。特に、どん底を知ってるえりこさんの『決して屈しない言葉』は、私を明るく強くしてくれます。身の程を知っても絶望せず、疲れた時ほど美味しいものを作って食べさせ、何か誰かを失ったり身動きがとれなくなったりしても周りの人を責めずにいられるのは、私の心の中にキッチンがあるお陰です。
うみ
キッチンを読んだとき、わたしの本だと思ったことを覚えています。歯医者へ行く途中の本屋で出会い、歯医者の待合室で読んだこと。今でもふとしたときに、キッチンの一場面が映像のように頭に浮かぶことがあります。冷蔵庫の音、きゅうりサラダ、公園の隣のマンションのソファのこと。キッチンにわたしが出会った時すでにキッチンはベストセラーでしたが、読んだあとキッチンはものすごく個人的な自分だけのものになっていました。
ふふふ
『キッチン』との出会いはばななさんの書かれる世界との初めての出会いでした。
あの運命の日のことを今でも鮮明に覚えています。実家の近くにある小さな本屋さん。まだ子供のわたしがお小遣いを持って、どの1冊を買うか真剣に悩んで考えて手に取った『キッチン』。
あの日からばななさんの本はずっとわたしのそばにいてくれて、今でもいちばんの親友です。長い間本当にありがとうございます。そしてこれからもできるだけ長くばななさんの文章と一緒に生きていきたいと思います。
わたしの大好きな大切な場所『キッチン』。
みい