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阿川佐和子『うから はらから』刊行記念特集

波 2011年3月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/02/28

発売日 2011/02/28
JANコード 4910068230317
定価 105円(税込)

朝吹真理子『きことわ』
町田 康/渋い。痺れる。

[阿川佐和子『うから はらから』刊行記念特集]
大竹まこと/彼女の憧憬とその裏側
吉田紀子/欠点を魅力に変えてしまう力

樋口毅宏『雑司ヶ谷R.I.P.』
大森 望/一種の天才と呼ぶべきかも

藤野眞功『犠牲にあらず』
田中和生/ポストモダンの廃墟を破壊する

木下半太『オーシティ』
内山直子/「オーシティ」で遊んでみたい!

赤川次郎『子子家庭の身代金』
市毛良枝/「子子家庭」の思い出

黒川 創『きれいな風貌―西村伊作伝―』
中野 翠/「自由」の淋しさと、すがすがしさ

野田秀樹『21世紀を信じてみる戯曲集』
古川日出男/スペクタクル降臨

『養老孟司の大言論Ⅰ 希望とは自分が変わること』刊行記念対談
堀江貴文×養老孟司/変わることは、学ぶこと。

徳本栄一郎『1945日本占領―フリーメイスン機密文書が明かす対日戦略―』
【インタビュー】徳本栄一郎/あの占領とは何だったのか

櫻井よしこ『日本の覚悟』
安倍晋三/抜群の歴史認識、ぶれない主張

垣添忠生『悲しみの中にいる、あなたへの処方箋』
川本三郎/悲しみに専念し、きちんと泣くこと

新井敏記『SWITCH STORIES―彼らがいた場所―』(新潮文庫)
是枝裕和/スナップショット

松岡和子『深読みシェイクスピア』(新潮選書)
山崎 努/謎解きのおもしろさ、開かれた「深読み」

白石仁章『諜報の天才 杉原千畝』(新潮選書)
手嶋龍一/インテリジェンスの視点で杉原像を覆す

【『天国の風―アジア短篇ベスト・セレクション―』刊行記念インタビュー】
高樹のぶ子/アジア10カ国の作家たちによる短篇集

ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(新潮クレスト・ブックス)
高橋源一郎/信じられない光景

秋田光彦『葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦―』(新潮新書)
秋田光彦/お寺はまだ生きている。

第23回日本ファンタジーノベル大賞作品募集

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
蓮池 薫/拉致と決断 第11回
阿部和重/幼少の帝国 成熟を拒否する日本人 第4回
片山杜秀/未完のファシズム 第6回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 三遊亭歌之介(前篇)
山折哲雄/長谷川伸と日本人 第15回
小林朋道/ヒト、動物に会う 第10回
佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち 第10回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第12回
三田 完/モーニングサービス 第7回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、第一四四回芥川賞を受賞した朝吹真理子氏(『きことわ』)と西村賢太氏(『苦役列車』)のお二人。単行本は、それぞれ小社より好評発売中です。
◇第六二回読売文学賞(主催・読売新聞社)の小説賞を、桐野夏生氏の『ナニカアル』が、随筆・紀行賞を、梨木香歩氏の『渡りの足跡』(それぞれ小社刊)が受賞しました。
◇東京でのイベントのお知らせです。
うから はらから』の刊行を記念して、著者の阿川佐和子氏のサイン会が、三月七日(月)一八時三〇分より、神田神保町の東京堂書店神田本店で開催されます。同店で『うから はらから』をお買い上げの方先着一〇〇名に、整理券を配布。また事前の電話、メールでの予約も可能です(お問い合わせ先&電話予約03-3291-5181)。詳細は、東京堂書店ホームページをご覧ください。
 三月九日(水)には、第六回新潮エンターテインメント大賞を受賞した、神田茜さんの『女子芸人』の刊行を記念して、『講談&落語の会「女子芸人vs男子芸人」』が開催されます。
 神田茜さんは、女性の心情を面白く切なく語る、独自の新作講談が人気の「女子」講談師です。
 場所は、紀伊國屋書店新宿本店四階の紀伊國屋ホール。時間は、一九時開演(一八時三〇分開場)。出演は、神田茜さんと、先月号で『女子芸人』の書評をお書きいただいた、落語家の柳家喬太郎さん。入場料は全席指定で一〇〇〇円(税込)です。お問い合わせ及び電話予約は、新宿・紀伊國屋ホール(03-3354-0141)までお願い致します。詳細は、紀伊國屋書店ホームページをご覧ください。
◇先月号「2月の新刊」に掲載した、二月二五日発売の黒川創『きれいな風貌―西村伊作伝―』の定価は、二一〇〇円から二四一五円に変更になりました。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。