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[湊 かなえ『豆の上で眠る』刊行記念インタビュー]

波 2014年4月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2014/03/27

発売日 2014/03/27
JANコード 4910068230447
定価 105円(税込)

[湊 かなえ『豆の上で眠る』刊行記念インタビュー]
湊 かなえ/本物って、何だろう?

徳永 圭『その名もエスペランサ』
荻原 浩/どんな仕事にもドラマはある。

滝口悠生『寝相』
小山田浩子/解放を読む幸福

北村 薫『書かずにはいられない―北村薫のエッセイ―』
北村 薫/書かずにはいられない

田中兆子『甘いお菓子は食べません』
山本文緒/脱・女子

深沢 潮『伴侶の偏差値』
三浦天紗子/当節結婚事情と、パートナーシップと

米澤穂信『満願』
杉江松恋/些細なほころびが世界を不安にさせる

ジェフリー・アーチャー『裁きの鐘は―クリフトン年代記 第3部―(上・下)』(新潮文庫)
戸田裕之/ジェフリー・アーチャーと「クリフトン年代記」

角地幸男『ケンブリッジ帰りの文士 吉田健一』
三輪太郎/明晰と酩酊

[『花子とアンへの道―本が好き、仕事が好き、ひとが好き―』刊行記念インタビュー]
村岡恵理/祖母の人生とともに本があった

北原亞以子『乗合船―慶次郎縁側日記―』
西木正明/追い求めたさりげない日常

西條奈加『上野池之端 鱗や繁盛記』
細谷正充/読む前の期待と、読んだ後の満足と

小林秀雄『学生との対話』
松井孝治/よみがえる「対話篇」

チャコット監修『お教室選びから着こなしまで はじめてのバレエ』
浦野芳子/バレエから得られる、無限の可能性。

江 弘毅『有次と庖丁』
江 弘毅/ややこしい京都

読売新聞水戸支局取材班『死刑のための殺人―土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録―』
小林泰明/「どこにでもいる青年」はなぜ人を殺したのか

管 洋志『一瞬のアジア』
田沼武能/アジアの神髄を学ぶ

山折哲雄『これを語りて日本人を戦慄せしめよ―柳田国男が言いたかったこと―』(新潮選書)
山折哲雄/ハイカラな本にはロクなものがない

今野真二『日本語のミッシング・リンク―江戸と明治の連続・不連続―』(新潮選書)
円満字二郎/明治の日本語を虫瞰し、変化を体験する

藻谷浩介『藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた』
中沢孝夫/まだできることがたくさんある

常井健一『誰も書かなかった自民党―総理の登竜門「青年局」の研究―』(新潮新書)
常井健一/無名時代に育まれる「しぶとさ」

新潮モダン・クラシックス刊行開始!

コラム
考える人─海外児童文学の恵み
とんぼの本をよむ
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】末盛千枝子/父と母の娘 第1回
堀本裕樹、穂村 弘/俳句と短歌の待ち合わせ 第8回
嵐山光三郎/芭蕉という修羅 第13回
森 まゆみ/子規の音 第3回
高橋秀実/とかなんとか言語学 第28回
池上 彰/超訳 日本国憲法 第13回
石原千秋/漱石と日本の近代 第10回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第49回
久間十義/デス・エンジェル 第9回
藤野千夜/D菩薩峠漫研夏合宿 第7回
津村節子/時のなごり 第31回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、阿川佐和子さんです。三月から刊行を開始する『新潮モダン・クラシックス』は、誰もが知っている古典的名作を著名な作家や学者による新訳でお届けするシリーズです。子どもの頃に読んだ覚えがあるけれど内容は忘れてしまった方や、読みたかったのについ読み損ねてしまっていたという方に手にとっていただければ、と思います。翻訳をお願いしたのはいずれもその作品に深い愛着を持っている方たちで、阿川さんは幼い頃、石井桃子さんが創設したかつら文庫に通って、石井さん訳の「クマのプーさん」に親しんで以来、心に棲み続けていた「クマちん」を自らの言葉で世に送り出しました。「ドリトル先生の物語を思い出すことは、とても大切なことを私自身に想い起こさせることになる」(「考える人」二〇一〇年秋号)と語る福岡伸一氏も、少年時代の愛読書に新たな生命を吹き込んでいます。長年の思いが込められた愛情あふれる訳文を、シリーズ・キャラクターの猫(名前は未定です)とともにお楽しみください。
◇和田竜さんの『村上海賊の娘(上・下)』が第35回吉川英治文学新人賞を受賞しました。発売以来「冒険やロマンだけに終わらない奥行の深い歴史小説」(山内昌之氏)、「『劣勢の美学』による極上のエンターテインメント」(東京新聞「大波小波」)など絶賛の声を浴びたこの小説は、今年の本屋大賞にもノミネートされています。和田竜さんが四年の歳月をかけて熟成させた大作が、破竹の進撃を続けています。
◇「小説好きの人なら人生に一度、あるいは二度、読んでみるだけの、それもゆっくり時間をかけて読んでみるだけの価値のある希有な作品」と訳者の村上春樹さんが語る『フラニーとズーイ』(サリンジャー、新潮文庫)が売れ行き好調ですが、村上さんの書下ろしエッセイが掲載された弊社ホームページの特設サイトも一週間で二万五千人が訪れる大人気です。この作品への思いや背景、魅力が存分に、丁寧に綴られていますので、ぜひお立ち寄りください。
◇木皿泉さんの連載小説「カゲロボ」は今月、休載いたします。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。