第55回 新潮新人賞
主催:新潮社 発表誌:「新潮」
第55回 新潮新人賞 受賞作品
海を覗く
シャーマンと爆弾男
受賞作品、各選考委員の選評については、2023年10月6日発売の「新潮」11月号にて掲載いたします。
受賞の言葉
《受賞作》
海を覗く/伊良刹那
【略歴】(いら・せつな)
2005年9月生まれ。18歳(受賞時17歳)。現在、高校3年生。
【受賞の言葉】
僕はあまりよくできた人間ではありません。勉強をサボったり、確かな答えなどない人間関係における問いについて延々と考え続けて、勝手に凹んだり元気になったりします。ですが、そんな僕が書いたものだからこそ、誰かの心に響くこともあるのかもしれません。選考に携わって頂いた皆様、僕の作品を読んでくれたすべての方、本当にありがとうございました。これからも小説を書き続けます。一人でも多くの方に読んで頂ければ嬉しいです。
[→]受賞者インタビュー 伊良刹那/あんな綺麗な文章を書いてみたい――Z世代の「美」の物語
《受賞作》
シャーマンと爆弾男/赤松りかこ
【略歴】(あかまつ・りかこ)
1977年6月、東京都世田谷区生まれ。日大二高、獣医大学を卒業後、臨床獣医師を二十年。東京都世田谷区在住。
【受賞の言葉】
三月、小説の王が死んだ。彼の物語のようにその魂は「自分の木」の根方に休むのか? そんなはずないだろう! 王は殺されたのだ、批評家らの手にかかって。かれらは切り出した魂、果汁を滴らせるプラムのそれを刃の背へ載せ親指ごと私の口へ押し込む。王は消化されもう一度死に「生き直し」はしない。地上は生者の立つところ。同時代人と真剣に額を突き合わせ生き、許されるならば書いてゆく。
[→]受賞者インタビュー 赤松りかこ/シャーマンを現代の東京に呼ぶ
第55回 新潮新人賞 候補作品
選考委員
過去の受賞作品
- ダンスさびしさは一個の廃墟
- 世界地図、傾く※「gurgle」を改題
- 彫刻の感想