日本鉄道旅行歴史地図帳 ご購入はこちら

監修者のことば
原武史 旅の楽しみと奥行き


 鉄道は単に異なる空間をつなぐメディアであるばかりか、過去と現在をつなぐメディアでもある。目の前に広がる風景を見て楽しむだけではなく、自分が乗っている路線を先人たちがどう乗っていたのかを知ることができれば、旅の楽しみと奥行きはさらに増すはずである。
 例えば、東海道本線の新橋~神戸間が全通したのは、1889(明治22)年である。それから120年あまりがたっている。この間に起点が新橋から東京になり、国府津~沼津間が御殿場回りから熱海回りになるなどの変更を除けば、路線の位置そのものはほとんど変わっていない。その同じ路線の上を、天皇が、軍人が、家族が、学生が、作家が、帰省客が、いくたびか往復した。鉄道というのは、明治から今日までの一世紀以上にわたり、先人たちがさまざまな思いを抱きつつ眺めてきたのと同じ位置から、車窓を見せてくれる交通手段でもあるのだ。
今尾恵介 『日本鉄道旅行歴史地図帳』の楽しみ方


『日本鉄道旅行歴史地図帳』は鉄道がたどってきた多彩な歴史を俯瞰するための地図帳です。出世列車と呼ばれた急行「津軽」や列車ホテルの異名をとった「あさかぜ」のような花形列車はもちろん、名寄本線や佐賀線などの今はなき地方路線を支えたディーゼル急行、今は普通ばかりの地方私鉄に運転されていた急行なども取り上げます。
 花形だった列車も、運転が終わって何十年も経つと人々の記憶も薄れ、いつしか忘却されてしまいますが、『日本鉄道旅行歴史地図帳』ではこれらの列車も網羅的・立体的に取り上げますので、どの線路の上を、どんな列車が活躍していたか、「鉄道歴史地図」と「列車年表」を結びつけながら、「鉄道のある風景」を楽しむことができます。

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