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凸版印刷『電車男』担当・組版男に直撃インタビュー
組版男 

1.初めて『電車男』の原稿をご覧になったとき、どう思われましたか?
原稿内容よりも「アスキーアート」「顔文字」「囲み罫線」に目がいき、説明を聞きながらも頭の中で対応策を思案していました。そして「この仕事、ほんとにできるのかな!?」という不安が次第に頭を占めてきました。

2.アスキーアートを紙の上で再現する際のご苦労は?
Windows MSPゴシックで表現されているアスキーアートはPDFデータに変換して印刷用途に適したものにしましたが、その変換作業やレイアウト作業には時間を費やしました。

3.書籍活字上に、半角文字がないというのは本当ですか?
「無い」というか「使ってはダメ」というルールが印刷にはあります。その理由は書体の種類によって形が変わったり、別の文字になったりすることがあるからです。

4.実際作業する際に、『電車男』をお読みになりましたか? お読みになったとすると、感想は?
はい。読ませていただきました。最初は「電車男?? どんな内容?」とチラッとテキストを読み始めたのですが、そのまま全て読み終わるまで「原稿確認」の名目で夜遅くまで残業してしまいました。あまり内容には触れられませんが、テキストを読んで「声に出して」笑って泣けたのは生まれて初めてでした。そして読む前には「2ちゃんねるの本」という印象だったのが、「これは最高の純愛物語だ!」に変わりました。自分にも好きになった人にふさわしい人間になるために努力したことや、それにアドバイス、協力してくれた友人達がいたことを懐かしく思い出させていただきました。

5.作業全体で、一番苦労なさったのはどこですか?
やはり、アスキーアートや顔文字の再現です。これらが崩れると読者にも伝わらなくなる部分が出てきますので制作現場と共に最大限努力したつもりです。

6.編集担当者から無理なスケジュールでの作業を強いられたかと思いますが、一番「ふざけんな、このやろう。そんなことできるわけないだろ」と思ったのは、どんなことですか。
「未知領域作業」と「限界納期短縮」、さらに「極限費用圧縮」の3本立てで責められたときでしょうか(笑)。しかし、編集担当の方の熱意と愛情(と恐怖)を製作現場にも伝え、協力していただいた結果、クリアできたと思っています。