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【特集】ヴァザーリ『美術家列伝』全訳記念
こんなにおもしろいルネサンス巨匠伝

芸術新潮 2023年9月号

(毎月25日発売)

1,500円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/08/24

発売日 2023/08/24
JANコード 4910033050933
定価 1,500円(税込)
●目 次


【特集】ヴァザーリ『美術家列伝』全訳記念
こんなにおもしろいルネサンス巨匠伝


『美術家列伝』とは?
解説 森田義之

グラフ
ヴァザーリが讃えたものたち

早わかり! ルネサンス人物相関図

ヴァザーリの眼
巨匠たちをどう記したか?

解説 森田義之&越川倫明
ジョット
ドナテッロとヴェロッキオ
フラ・アンジェリコとフィリッポ・リッピ
ボッティチェッリ
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ラファエッロ
ミケランジェロ
ティツィアーノ
ヴァザーリ


コラム
ルネサンス期の女性画家たち
文 森田義之

スペシャル・エッセイ
ヤマザキマリ ヴァザーリと『美術家列伝』と私

ヴァザーリが明かすとっておきエピソード
その(1)巨匠たちの仰天事件簿
その(2)ミケランジェロのプチ災難
その(3)ヴァザーリの著者権限
その(4)ビックリ仕事術
その(5)食べ物だって大事!
その(6)ドラマな最期

監修者対談
森田義之×越川倫明

『美術家列伝』全訳14年 その現場と意義を語る

最新研究より
ヴァザーリは『美術家列伝』をひとりで書いたのか?
解説 越川倫明

編集者インタビュー&美術家一覧



ルネサンス特集 ジュエリー編
華やかに、贅沢に――
14~16世紀のジュエリー事情
文 本間恵子

◆ Art News exhibition ◆

ある画商の“眼”がとらえた少女たち

むしむし日本の虫の風雅の涼しさよ
絵・文 辛酸なめ子

柚木沙弥郎ゆのきさみろう
仲間やモノとの幸せなめぐり逢い

エトルリア~ローマの温泉&治療が見える!
発掘された紀元前のブロンズ像公開
文 高橋恵理

◆ Art News report ◆

映画『SHIP』に見るNFTアートのこれから

◆ Review ◆

  • クリスティーナ・バンバン
  • 横内みえ
  • デイヴィッド・ホックニー
  • fumiko imano



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

国宝クラス仏をさがせ!〈33〉
最終回 三熊野神社・毘沙門堂
兜跋毘沙門天立像

Goods & Shop

絵育のススメ〈1〉
尾木直樹

時と光の美術館〈77〉
SUWA

◇ 連載 ◇

国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈33〉最終回
選・解説 瀨谷貴之

山下裕二の
新・今月の隠し球〈20〉
藤森 哲(下)

定形外郵便〈110〉
文 堀江敏幸

大人のための印象派講座〈23〉
なぜ日本で印象派は人気があるのか
文 三浦 篤

中野京子
名画に見る悪の系譜〈15〉
裏切り者

千住博の知となり肉となり〈2〉
小中学生と和紙を揉んでみた

幻々夢譚〈9〉
絵・文 と金

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈6〉
吉本天地 さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈104〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈38〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

時と光の美術館SPECIAL
パテック フィリップ
スイスが出会った日本

ミキモト
真珠、海の恵み

NFTアートカレッジ〈6〉Adam by GMO
迷路で全国制覇!? NFTアートが叶える吉川めいろの野望

金箔が放つ「美」と「輝き」の秘めたる力
対談 並木秀俊×山﨑妙子

連載 美に魅せられて/ アジア文化芸術協会〈56〉
興福寺《不空羂索観音菩薩坐像》

ART CAFÉ
ART CAFÉ SPECIAL
GALLERY'S PLAZA

最新号PICK UP

ついに全訳完成! 「美術史」のはじまりの書物

 足かけ14年にもおよぶ全訳の出版プロジェクト。総頁数は3175頁。監修者5人に、訳者27人……。同業者として、あらためてこの数字を見ると、ただただ気が遠くなるばかりだ。

 ジョルジョ・ヴァザーリが著した『美術家列伝』は、16世紀の西洋世界に突如現れた体系的な美術史の大著である。その全訳版が、中央公論美術出版から、1巻3万3000円(税込)、全6巻で刊行された。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど250人あまりの美術家の伝記で構成され、ルネサンスの革新と高揚をしっかりと記録し、「美術史」の起点となった超重要書物だ。これまで抄訳の日本語版は存在していたが、全訳されたのは初めてなのだ。

 そんな歴史的な大作ではあるけれど、その内容はというと、お堅い学者の文章で記されているのではなく、平易な読みやすい言葉で綴られ、読みながら何度も「本当かよ!?」とツッコミを入れてしまうぐらいに、美術家たちのびっくりエピソードが満載。今回の特集では、全訳プロジェクトの中心となった監修者のふたり、森田義之先生と越川倫明先生を案内人として、あらためてこの『美術家列伝』を読み解いていった。

 特集の最後には、中央公論美術出版で全訳プロジェクトを担当した編集者・鈴木拓士さんのインタビューも掲載している。入社8年目からこの企画に関わり始めて編集者人生の3分の2を共にした、まずは用語を統一するためにリストをつくったら項目が1000(!)を超えた、昨年12月に完成したものの実はまだ脱力感が続いている、等々、出版人でもまず経験することがないような話が次々と飛び出したのであった。

この号の誌面

編集長から

おもしろすぎる
ルネサンス現場レポート

 彫刻・金工・絵画なんでもござれ、フィレンツェでも屈指の大工房を営んでいたヴェロッキオは、ある時、受注した《キリストの洗礼》の一部を若き弟子レオナルド・ダ・ヴィンチに任せた。少年が描いた天使像の出来栄えは余りに素晴らしく、衝撃を受けた師匠は、以後、絵筆を捨ててしまった……。
 この有名な逸話のネタ元は、ヴァザーリの『美術家列伝』。いまだ時代がルネサンスの渦中にあった16世紀半ばに爆誕した同書は、レオナルド、ミケランジェロら約250人の伝記からなる美術史学の出発点にして、ホントかよ!的なエピソード満載のエンタメ説話集でもある。9月号ではこの大著の全訳刊行を記念し、「こんなにおもしろいルネサンス巨匠伝」を特集した。同書の読みどころをご案内すると共に、十数年に及んだ山あり谷ありの翻訳プロジェクトの舞台裏も覗いた。イタリア留学時代以来のヴァザーリとの付き合いを回想する、ヤマザキマリ氏のエッセイもお勧めである。

芸術新潮編集長 高山れおな

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