【特集】ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ――
原田マハのポスト印象派物語
芸術新潮 2024年4月号
(毎月25日発売)
発売日 | 2024/03/25 |
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JANコード | 4910033050445 |
定価 | 1,500円(税込) |
【特集】ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ――
原田マハのポスト印象派物語
5人の画家との接触
Les contacts avec cinq peintres
文 原田マハ
Prologue | Emile Bernard |
《パリのカフェでばったり出会う》
エミールと私――からのプロローグ
Contact I | Vincent van Gogh |
ゴッホの物語
《ルピック通りのドアをノックする》
――ファン・ゴッホとエミール(と私)
短き人生を絵画に捧げた情熱家
フィンセント・ファン・ゴッホ
Contact II | Paul Gauguin |
ゴーギャンの物語
《ポン=タヴェンで黄色いキリスト像を見上げる》
――ゴーギャンとエミール(と私)
ビジネスマンから絵画の革新者へ
ポール・ゴーギャン
Contact III | Paul Sérusier |
セリュジエの物語
《ル・プールデュの食堂で話し込む》
――セリュジエとエミール(と私)
ポン=タヴェンで花開いたナビ派の祖
ポール・セリュジエ
Contact IV | Odilon Redon |
ルドンの物語
《カフェ・ヴォルテールで春風になる》
――ルドンとエミール(と私)
夢と幻想の世界を独立独歩
オディロン・ルドン
Contact V & Epilogue | Paul Cézanne |
セザンヌの物語
《エクスで記念写真を撮る》
セザンヌとエミール(と私)――からのエピローグ
不器用な近代絵画の父
ポール・セザンヌ
「ポスト印象派」を理解するために
文 三浦 篤
「印象派以後――モダンアートを創出すること」展担当キュレーター
マリアンヌ・スティーヴンスさんインタビュー
「彼らは革新性の中で描くしかなかった」
- ポスト印象派紀行
文 編集部 - 1 オーヴェール=シュル=オワーズにゴッホを訪ねる
- 2 ブルターニュ地方にゴーギャンと仲間たちを訪ねる
カンペール/ポン=タヴェン/ル・プールデュ/ブレスト/ドゥアルヌネ
印象派&ポスト印象派関連書籍および展覧会案内
◆ Art News exhibition ◆
森が育んだ神話と幻想
魅惑の北欧絵画
◆ Art news book ◆
“文画両道”のニヒリスト
水島爾保布
談 前田恭二
◆ Art News exhibition ◆
イギリスの版元がお蔵出し
本家本元!「不思議の国のアリス」
挿絵の系譜
板倉鼎・須美子
蘇る画家の魂
文 高橋明也
◆ Review ◆
- つん「第27回岡本太郎現代芸術賞」展より
- 能作文徳+常山未央
- サム・フォールズ
- ラファエル・ザルカ
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
Goods & Shop
時と光の美術館〈84〉
スカヴィア
絵育のススメ〈8〉
伊藤達矢
とんぼの手帖〈4〉
本当の誕生日は4月17日
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈117〉
文 堀江敏幸
千住博の知となり肉となり〈9〉
一流画家になる方法
山下裕二の
新・今月の隠し球〈27〉
木原健志郎(上)
福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈13〉
高山羽根子 さん
幻々夢譚〈16〉
絵・文 と金
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈110〉
◇ PICK UP ◇
movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈45〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
JAL45便 私だけの時間
文 原田マハ
靖山画廊 南條史生×松浦延年
筆跡を捨てた先に見つけた、唯一無二の絵画
頌古会 異国情緒千年の歴史を紡ぐ
松浦史料博物館
至宝の古美術「修復の旅」
長崎・平戸編
絵と言葉のチカラ展
第3回の受賞&入選作が決定!
10年の歳月をかけたアムステルダム国立美術館の大改修を支えた
「タキヤ」のピクチャーレール
始めよう! NFTアートカレッジ〈1〉
Adam by GMO
ART CAFÉ
GALLERY'S PLAZA
最新号PICK UP
つながっていた孤高の画家たち
印象派ならわかるけど、ポスト印象派って何?――1874年から1886年にかけて全8回開催された通称「印象派展」に参加した画家たちに対して、ポスト印象派の画家の定義はいまいち曖昧です。そこをわかりやすく解きほぐしてくださった三浦篤先生の解説はぜひお読みいただきたいのですが、今回、原田マハさんが5本の掌編で描いたポスト印象派の画家たち――ゴッホ、ゴーギャン、セリュジエ、ルドン、セザンヌ――らが、いずれも強烈な個性の持ち主だったことは間違いありません。
本特集では、「孤高の」とか「偏屈な」といった形容詞を付けられがちなこうした画家たちの、意外なつながりが明らかにされてゆきます。方向性はまるでちがっても、絵画に対する情熱を共有する彼らは、同じモティーフを描いたり、構図を引用したり、肖像画を描きあったりして、時にぶつかりあいながらも止揚していきました。掌編で案内人を務めてくれたのはエミール・ベルナール。自身が画家であり、ジャーナリスト的な視点も備えていたエミールは、ゴッホの評伝を初めて著し、セザンヌのポートレイトを撮影した人です。そこにエミールをシトロエンに乗せて画家たちに会いに行く21世紀の小説家(=原田さんの分身?)の視点が加わった時、あの気難しそうな画家たちが、ぐっと身近に感じられるようになるはずです。
この号の誌面
編集長から
原田マハが贈る
5つの胸熱アート小説
特集は「ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ――原田マハのポスト印象派物語」。ポスト印象派という言葉は馴染みが薄いかも知れませんが、要は、印象派による絵画の革新をそれぞれの方向で加速させた、19世紀末から20世紀初頭の絵画動向の総称です。特集では右の3人に、象徴主義を代表するルドン、ナビ派の祖セリュジエを加えた5人の画家たちに、パリ在住の小説家である“私”(原田さんの分身?)が会いにでかけます。案内役は、自身もポスト印象派の画家だったエミール・ベルナール。ある夏の宵、セーヌのほとりのカフェで知り合ったエミールに導かれた時間旅行の果てには、自分の表現をまっすぐに追い求めた画家たちとの胸熱な出会いが待っています。
アートニューズでは、19世紀から20世紀初頭の北欧絵画の大展観を機に、北方の深い森に育まれた神話と幻想の世界に迫りました。そう、じつはそこでも、ポスト印象派のもう一つの流れを見ることができるのです。
芸術新潮編集長 高山れおな
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