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特集[白石一文『心に龍をちりばめて』刊行記念]

波 2007年11月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/10/27

発売日 2007/10/27
JANコード 4910068231178
定価 105円(税込)

特集[白石一文『心に龍をちりばめて』刊行記念]
【インタビュー】白石一文/心と魂の原理について
金子ありさ/美帆という名の女性が奏でるカンテ

碧野 圭『ブックストア・ウォーズ』
藤本由香里/「本屋さん」をめぐるお仕事小説

ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』(新潮文庫)
角田光代/読む距離、見る距離

アミタヴ・ゴーシュ『ガラスの宮殿』(新潮クレスト・ブックス)
鴻巣友季子/小説ならではの強みと美点

デイヴィッド・ロックフェラー『ロックフェラー回顧録』
山本 正/世界を動かしたロックフェラー

渡辺 眸/著 山本義隆/寄稿『東大全共闘1968-1969』
大竹昭子/闘う彼らのエネルギーに惹かれて

降籏 学『草野球をとことん楽しむ』(新潮新書)
降籏 学/好きなんだから、しょうがない

阿久 悠『清らかな厭世―言葉を失くした日本人へ―』
湯浅 明/最後の「命の言葉集」ができるまで

手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』(新潮文庫)
手嶋龍一/インテリジェンスをめぐる迷宮

岩村暢子『普通の家族がいちばん怖い―徹底調査! 破滅する日本の食卓―』
上野千鶴子/二世代目のサイクルに入った「家庭崩壊」

渡辺信一郎『江戸の媚薬術』(新潮選書)
野口義人/両国で薬屋と聞けば

土屋 守『ウイスキー通』(新潮選書)
椎名 誠/品格のあるヨッパライをめざすために

特集[小池真理子『望みは何と訊かれたら』刊行記念]
【インタビュー】小池真理子/『恋』を超えた「愛」のかたち。
野崎 歓/たとえようもない悦楽
既刊案内
特集[ジョン・アーヴィング『また会う日まで』刊行記念]
【座談会】いしいしんじ×豊崎由美×小川高義/はるかな時間、はるかな距離
主な登場人物&事項紹介
既刊案内

コラム
「考える人」─アメリカの力は大学の力である
新潮文庫の海外エンターテインメント
とんぼの本編集部通信

連載
東 直子/薬屋のタバサ 第3回
北原亞以子/父の戦地 第14回
宮城谷昌光/古城の風景 第53回 勝間田城
花村萬月/百万遍 流転旋転 第11回
池谷伊佐夫/古本つれづれ草 第5回
日高敏隆/猫の目草-森林の国 日本
佐野洋子/シズコさん 第23回
大平 健/治療するとカワイクなります。 第16回
西村 淳/身近な物で生き残れ! 第3回
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(3)
秋山 駿/忠臣蔵 第2回
保阪正康/即位と崩御 第11回
松久 淳+田中 渉/あの夏を泳ぐ 天国の本屋 第2回
安住洋子/日無坂 第11回

・編集室だより ・新潮社の新刊案内

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟とイラストは、漫画家・ジョージ秋山さん。『銭ゲバ』『アシュラ』『恋子の毎日』……人間の本性を鋭く捕らえた作品群の中に、きっと誰もが記憶に残る一本をお持ちではないでしょうか。これらの作品の根底を流れる“ジョージ哲学”をまとめた名言集『はぐれ指南 ほろ酔いで長生き』が、十月二十六日に刊行されました。歴史的偉人の一言から近所のおばちゃんのつぶやきまで、著者の人生を彩る名言の数々は、苦しい生き方に別れを告げて、ひょうひょうと雲のように生きるための人生指南となっています。表紙の言葉は、コミックスは八十巻を超え、三十年以上愛され続けている人気作「浮浪雲」(ビッグコミックオリジナル連載中)のメイン・テーマで、ジョージさんは色紙を頼まれるとこの言葉を書くことが多いそうです。
◇テレビ化・映画化で話題の作品をご紹介します。
 まず映画化では、十月二十七日松竹配給で公開予定の「象の背中」(出演:役所広司・今井美樹)。日本人の三人に一人がガンで死亡するこの時代に、生きる事と死ぬ事の意味を、人は何を残せるのかを問いかける、秋元康の問題作をくじらいいく子が漫画化(『象の背中1』)。そして、藤田宜永の夢と孤独が交錯する哀愁ロード・ミステリー『転々』(新潮文庫)。オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子ほかといった豪華キャストで、十一月十日(スタイルジャム配給)で公開されます。
 また、テレビ化では、十一月十一日に天童荒太『孤独の歌声』、十八日に乃南アサ『結婚詐欺師(上・下)』(いずれも新潮文庫)がWOWOWで、松本清張『点と線』(新潮文庫)が、テレビ朝日開局50周年記念作品として、ビートたけし主演で、十一月二十四、二十五日の二夜にわたって放送されます。
◇十月二十二日発売予定の山本一力『研ぎ師太吉』は、諸般の事情により発売が延期となりました。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。