ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:波 > 雑誌詳細:波 2026年5月号

今月の表紙の筆蹟は、窪 美澄さん。

波 2026年5月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2026/04/28

発売日 2026/04/28
JANコード 4912068230564
定価 100円(税込)
「波」はお近くの書店からもご注文できます。
筒井康隆/夢中で逃走 シリーズ第34回
【特別寄稿】
蓮實重彦/リチャード・フライシャーをめぐって──グリフィスとシルヴィア・シドニーに励まされて──
阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第104回
【窪 美澄『君の不在の夜を歩く』刊行記念】
[インタビュー]窪 美澄/ひとは、そこにいてくれるだけでいい

筒井康隆『筒井康隆、九十歳のあとさき─老耄美食日記─』
大森 望/読者を面白がらせる“作品”としての日記

彬子女王 原作、池辺 葵 漫画『マンガ 赤と青のガウン 第1巻』
酒井順子/姫は二つの顔を持つ

桜木紫乃『異常に非ず』
海原純子/人々を縛る見えないゴースト

ローリー・ムーア、栩木玲子 訳『死んでいる元カノとの旅』(新潮クレスト・ブックス)
藤野可織/生きている人の側の小説

さくらももこ『たびたび』
イモトアヤコ/仰々しくない旅

デイヴィッド・サムソン、赤根洋子 訳『分断と排除の人類史─暴走するトライバリズム─』
首藤淳哉/世界の分断を加速させる「進化のミスマッチ」

山崎エマ『それでも息子を日本の小学校に通わせたい』(新潮新書)
山口真由/「自分は何者か」の先にあるしなやかな強さ

小林登志子『楔形文字が語る古代オリエント─都市と文明の興亡史─』(新潮選書)
本村凌二/「都市」で解き明かす古代オリエント史

木村 洋『「蒲団」の時代─自然主義とは何だったのか─』(新潮選書)
渡辺祐真/田山花袋が自らの性欲を露わに書いたのは(ただ)変態だからではなかった!
【マンガ】
福岡太朗 漫画、堀元 見 監修『超知的!しもねた部』
福岡太朗/『超知的!しもねた部』創作秘話

【三谷幸喜、ペリー荻野『もうひとつ、いいですか?』刊行記念特集】
ヒャダイン/「オタク語り」の向こう側
高橋洋二/「人が14歳の時に観た作品最強説」は本当か?
【畠山丑雄『叫び』芥川賞受賞記念特別企画】
[往復書簡]若島 正×畠山丑雄/「先生とわたし」 後篇

【追悼 つげ義春】
川本三郎/うらぶれた風景から生まれる詩情
【私の好きな新潮文庫】
山中瑶子/身体にひきずられる精神、愛
 金原ひとみ『軽薄』
 島尾敏雄『死の棘』
 大江健三郎『性的人間』
【今月の新潮文庫】
養老孟司、中川恵一『養老先生、病院へ行く』
[特別対談]養老孟司×中川恵一/養老先生、病院へ行く! 病院嫌いの養老先生が 26年ぶりに!?
【コラム】
小澤 實/俳句と職業

[とんぼの本]編集室だより

古市憲寿『コミュ力不要の社交術』(新潮新書)
古市憲寿/なぜ大人になると友達ができないのか
【連載】
千葉雄大/家賃を払わない同居人 第2回
シリ・ハストヴェット、柴田元幸 訳/ゴースト・ストーリーズ 第4回
椎名 誠/こんな友だちがいた 第21回
古市憲寿/絶対に挫折しない教養入門 第9回
下重暁子/九十歳、それがどうした 第12回
高木 徹/東京裁判 11人の判事たち 第6回
内田 樹/カミュ論 第36回
【明治安田企画広告】
リレー連載「もしも、エピローグ・レターがあったなら……」 第三回
吉田修一/本気の手紙
編輯後記 いま話題の本 新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙の筆蹟は、窪 美澄さん。

◎東海林さだおさん逝去。今更自分がどれだけ東海林さんを尊敬していたかが分って動揺しています。与次郎の言う通り、「あんな芸術家は滅多に出るものじゃない。何時でも聞けると思うから安っぽい感じがして、甚だ気の毒だ。実は彼と時を同じゅうして生きている我々は大変な仕合せである」(漱石『三四郎』)。
◎およそ連載が終わらない実力者で、マンガは「タンマ君」(「週刊文春」)が五十七年、「サラリーマン専科」(「週刊現代」)が五十五年、「アサッテ君」(「毎日新聞」)が四十年、文章は「男の分別学」(「オール讀物」)が四十六年、「丸かじり」シリーズ(「週刊朝日」→「朝日新聞」)は三十九年続いて、この春最終回を迎えたばかり。僕には「今の連載以外はもう書けない」と言いながら、対談によく付き合ってくれました。座談も達人の域。赤瀬川原平さんと名コンビだった「軽老モーロー対談」(「小説新潮」連載)は別格として、興奮したのは〈読者を飽きさせない文章術〉を語った平松洋子さんとの時。同席した記憶で書きますが、平松さんが色とりどりの付箋を貼った東海林さんの本を片手に斬り込むと、率直に答えて曰く、「白湯」のような難しいテーマを思いつくと興奮する、「手づかみで食べてみる」「富士そば全メニュー制覇」などのルポものも増やしたい等々。「読者がよく知っているものしか書かないからカラスミは書けない」「知ってますよ」「まだ知らない」なんて会話やりとりもありました。
◎椎名誠さんとの対談(「波」2014年1月号)での、自作マンガのキャラクターをいつ見切るか(「もうあの社長は出てきません」等)の話も迫力満点。
◎東海林さんの仕事場には「志ん生」と書いたメモが貼られていました。こんな時、志ん生ならどう捻るかというわけです。ビリー・ワイルダーが事務所に貼った「ルビッチならどうする?」のメモと見事な好一対。
▽次号の刊行は五月二十七日です。

お知らせ

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。