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特集[辻原 登『抱擁』刊行記念]

波 2010年1月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/12/27

発売日 2009/12/27
JANコード 4910068230102
定価 105円(税込)

特集[辻原 登『抱擁』刊行記念]
【インタビュー】辻原 登/歴史の熱と言葉が生む「幽霊」
鴻巣友季子/目も眩む美しい絨毯の下絵

北 重人『夜明けの橋』
高橋敏夫/新たな生へと向かう橋

小路幸也『リライブ』
東 えりか/小路幸也の小説からは音楽が聞こえる

秦 建日子『明日、アリゼの浜辺で』
吉田伸子/人生は、間違えられるからこそ、素晴らしい

東 浩紀『クォンタム・ファミリーズ』
法月綸太郎/東浩紀と「家系」の問題

畠中 恵『つくも神さん、お茶ください』
【インタビュー】畠中 恵/いままでの「時間」と、これから

松本清張・向田邦子『駅路/最後の自画像』
近藤 晋・烏兎沼佳代/松本清張と向田邦子 ただ一度の共作

ショーン・ウィルシー『ああ、なんて素晴らしい!』
村上春樹/面白くてやめられなかった3つの理由

ポール・スタロビン『アメリカ帝国の衰亡』
会田弘継/ジャーナリストならではの視点で描く迫力

富坂 聰『平成海防論―国難は海からやってくる―』
夏川和也/海洋大国を目指す中国の野望

垣添忠生『妻を看取る日―国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録―』
嵐山光三郎/“正拳突き”の妻恋い記

松木武彦『進化考古学の大冒険』(新潮選書)
佐倉 統/時間尺度のズーム、あるいは考古学の独立宣言

福田和也『人間の器量』(新潮新書)
津川雅彦/悪い見本はたくさんいる

ベ・ヨンホン『朝鮮人特攻隊―「日本人」として死んだ英霊たち―』(新潮新書)
ベ・ヨンホン/歴史の狭間に埋もれていた朝鮮人特攻隊員

日高敏隆『セミたちと温暖化』(新潮文庫)
羽田節子/追悼 日高敏隆先生

大平 健・倉田真由美『こころの薬―幸せになれる診療室―』(新潮文庫)
瀧井朝世/心が弱くなる時は

岡野雅行『野人伝』
【対談】岡野雅行×平田竹男/爆笑、そして涙。マンガのような偉人伝

第22回日本ファンタジーノベル大賞募集

コラム
死の予感、そして生への欲望
「考える人」─あこがれの老年時代
とんぼの本編集部通信
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】吉川 潮/〈対談〉寿限無の言い分 春風亭小朝(前篇)
【新連載】山折哲雄/長谷川伸と日本人
宮城谷昌光/古城の風景 第79回 緒川(小河)城
花村萬月/百万遍 流転旋転 第37回
小泉武夫/男精食のすすめ 東洋の性典『カーマスートラ』に見る強精法
松本健一/三島由紀夫と司馬遼太郎 第16回
新野剛志/中野トリップスター 第3話(1)
田牧大和/三人小町の恋 ふたり拝み屋手控帖 第18回
群ようこ/ぎっちょんちょん 第13回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、待望の長編小説『抱擁』が刊行された辻原登氏。
 二・二六事件の翌年、昭和十二年の東京・駒場。前田侯爵邸の小間使として働くことになった十八歳の「わたし」は、五歳の令嬢・緑子の異変に気づく。彼女は、見えるはずのない《誰か》の姿を見ている――。歴史の放つ熱と、虚構が作り出す謎が、濃密に融け合う世界。イギリス古典小説の味わいを合わせ持つ力作です。
「年末年始の雰囲気をと言われたので素直に書きました」というこの表紙の言葉。一行目「天に在します 我らが神よ」の「天」は、砂漠の上にある、ヤーウェのいる強く厳かな空であるのに対し、二行目の「凧々揚がれ 天まで揚がれ!」の「天」は、凧があがる日本のおだやかな空。「その対比が面白いと思って」ということでした。
◇今号十七頁に、第二十二回日本ファンタジーノベル大賞(主催/読売新聞東京本社・清水建設株式会社)の募集要項を掲載いたしました。賞も二十二回を数え、第一回大賞受賞の酒見賢一氏をはじめ、現選考委員の鈴木光司氏、この十二月に初めてのエッセイ集『つくも神さん、お茶ください』が刊行された畠中恵氏など数多くの作家が誕生しています。十一月には第六回以来久しぶりの大賞ダブル受賞となった小田雅久仁『増大派に告ぐ』、遠田潤子『月桃夜』が刊行。第二十回の大賞受賞者である中村弦氏の『ロスト・トレイン』も話題をよんでいます。募集期間は、二〇一〇年四月一日から四月三十日まで。新しい才能の誕生をご期待ください。
◇今月号より、吉川潮氏の「対談 寿限無の言い分」と山折哲雄氏の「長谷川伸と日本人」の連載を開始いたします。
◇二十四頁掲載のショーン・ウィルシー『ああ、なんて素晴らしい!』(坂野由紀子訳)の書評をお書きいただいた村上春樹氏が、スペイン政府より、「創造的な個性」で現代文学に貢献した作家に贈られる芸術文学勲章を授与されました。

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。