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[窪 美澄『アニバーサリー』刊行記念特集]

波 2013年4月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/03/27

発売日 2013/03/27
JANコード 4910068230430
定価 105円(税込)

[窪 美澄『アニバーサリー』刊行記念特集]
【インタビュー】窪 美澄/彼女が望んだ記念日ではなく
小島慶子/終わらない日常に足を踏み出す

梨木香歩『鳥と雲と薬草袋』
吉田篤弘/薬草袋の効用

ネイサン・イングランダー『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』(新潮クレスト・ブックス)
大竹昭子/「あの人たちの話」と割り切って読むことができない

[『さきちゃんたちの夜』刊行記念e-mailインタビュー]
よしもとばなな/夜中のコーヒーとチョコレートみたいな本に

小山田浩子『工場』
津村記久子/人と職場を、顕微鏡で眺めるような愉楽

彩瀬まる『あのひとは蜘蛛を潰せない』
藤田香織/「言葉」を越えた「感情」物語!

藤原緋沙子『百年桜』
菊池 仁/“渡し場”で展開する濃厚な人間ドラマ

西條奈加『閻魔の世直し 善人長屋』
末國善己/“巨悪”に挑む悪党たち

天野純希『戊辰繚乱』
東 えりか/会津魂で生きた女傑と志士

杉山隆男『兵士は起つ―自衛隊史上最大の作戦―』
有川 浩/抑制された筆が掘り起こす覚悟

[鏑木 毅『アルプスを越えろ! 激走100マイル』刊行記念対談]
高野秀行×鏑木 毅/「過酷」で「奇妙」なマラソン対決!

小池昌代編著『おめでとう』
小池昌代/芽吹き

財団法人 日本再建イニシアティブ『日本最悪のシナリオ 9つの死角』
船橋洋一/「最悪のシナリオ」という想像力

ふじいまさこ『身近な危険から自分を守る! ゆるサバイバル入門』
ふじいまさこ/「ゆるサバイバル」のゆる~い入門

竹中紳一『就活先生―内定を勝ち取るための31のステップ―』
野村 進/早期内定100%の就活指導

山本芳明『カネと文学―日本近代文学の経済史―』(新潮選書)
中条省平/日本近代文学史の風景を塗りかえる

マンジット・クマール『量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突―』
竹内 薫/良質の歴史小説のような物理学史

村上智彦『医療にたかるな』(新潮新書)
海堂 尊/村上智彦は何と闘っているのか

ゴウヒデキ・藤木フラン編『それ、どこで覚えたの?』(新潮文庫)
ゴウヒデキ/大人は言えない名言

[山本周五郎と私]
山田太一/三つほどのこと

コラム
考える人-小林秀雄 人生の最終章
とんぼの本をよむ
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】池上 彰/超訳 日本国憲法 第1回
【新連載】嵐山光三郎/芭蕉という修羅 第1回
斎藤明美/高峰秀子の言葉 第21回
鹿島田真希/少女のための秘密の聖書 第7回
吉田篤弘/ソラシド 第9回
桜木紫乃/モノトーン 第14回
梨木香歩/冬虫夏草 続・家守綺譚 第11回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第37回
高橋秀実/とかなんとか言語学 第16回
江 弘毅/有次と庖丁 第5回
津村節子/時のなごり 第19回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇石井光太さんの『遺体―震災、津波の果てに―』を原作にした同名の映画が全国で公開されています。東日本大震災直後に釜石市の遺体安置所を取材した石井さんのルポルタージュは医師、自衛隊員、僧侶など多くの人々を描いていますが、映画はその中で次々に運ばれてくる遺体を最善の形で弔おうと懸命に努めた一人の民生委員に焦点をあてました。扮しているのは西田敏行さんですが、もはや演技と呼ぶことさえ憚られるほどの迫真の姿に胸と瞼が熱くなりました。先日、石井さんと監督の君塚良一さんのトークショーが行われ、お二人とも「現地の人たちの思いを背負うという気持ちで臨んだ」と語っていましたが、作家、製作者、役者の覚悟が一致して生まれた映像には、後世にも伝わるであろう迫力と感動が漲っています。
◇今月の表紙の筆蹟も、東日本大震災に繋がっています。窪美澄さんがこの言葉を選んだ理由は本文のインタビューで語られていますが、新作『アニバーサリー』にはマタニティスイミングの教室で指導員と生徒として出会う二人の女性が登場します。その生徒である真菜は幼い頃からカメラが好きで、やがて写真家を目指して渋谷、新宿、池袋など繁華街の猥雑な風景を撮り歩くようになります。また、指導員の晶子が三月十一日、地震の後に不安を抱えながら向った先は、渋谷のデパートでした。表紙の写真は、その渋谷の日常の光景です。
◇窪さんと彩瀬まるさん、深沢潮さんの三名の女性作家によるトークショーが四月六日(土)午後一時より、紀伊國屋書店新宿本店8階のイベントスペースで行われます。三人の共通点は「女による女のためのR-18文学賞」の受賞者ということ、そして新作を発表したばかりということです。お問い合わせは、03-3354-5702(同書店二階文芸書売場)までお願いいたします。
◇北原亞以子さんが逝去されました。小誌に連載していただいた『父の戦地』は、戦死した父親が戦場で描いた絵入りの葉書をモチーフにしながら、自らの来し方と家族の物語を綴った味わい深い追想記でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。