第48回 新潮新人賞
主催:新潮社 発表誌:「新潮」
第48回 新潮新人賞 受賞作品
二人組み
縫わんばならん
受賞作品、各選考委員の選評については、2016年10月7日発売の「新潮」11月号にて掲載いたします。
受賞の言葉
《受賞作》
二人組み/鴻池留衣
【略歴】(こうのいけ・るい)
1987年2月埼玉県川口市生。29歳。男性。慶應義塾大学文学部中退。アルバイト勤務。東京都在住。
【受賞の言葉】
必要なものと言えば、酒と煙草と小説があります。これらは人間に欠かせないくせに、生活を蝕んで百害あるものです。ところで、これら三つのうちで最も優れているのは酒です。なぜかと言えば、酒を摂取すると煙草と小説が欲しくなりますが、煙草と小説は単独で喫んでも他を呼び寄せないからです。一番害がありそうなところもまた、酒の最も優れている所以です。僕はこれから、酒に負けない小説を書きます。
[→受賞者インタビュー 何度も味わいたくなる悲劇を/鴻池留衣]
《受賞作》
縫わんばならん(「縫わんばならん、その空白ば」改題)/古川真人
【略歴】(ふるかわ・まこと)
1988年7月福岡県福岡市生。28歳。男性。國學院大学文学部中退。無職。神奈川県横浜市在住。
【受賞の言葉】
親族の集まる場で交わされる、他愛のない、けれど話している本人も、また周囲で相槌を打っている者たちも、笑みを浮かべずにはいられない話、この、彼らが語りあうことで持ち寄る記憶の断片を縫い合わせ、ひとつの物語にしよう、そう考えて書いたものに賞をいただけて、嬉しい限りです。
過去に、記憶に、声に……この度の受賞を契機に、もっと深く、まっすぐ向き合っていこうと思います。本当にありがとうございました。
第48回 新潮新人賞 候補作品
選考委員
過去の受賞作品
- さびしさは一個の廃墟
- 世界地図、傾く※「gurgle」を改題
- 彫刻の感想