第56回 新潮新人賞
主催:新潮社 発表誌:「新潮」
第56回 新潮新人賞 受賞作品
ダンス
さびしさは一個の廃墟
受賞作品、各選考委員の選評については、2024年10月7日発売の「新潮」11月号にて掲載いたします。
受賞の言葉
《受賞作》
ダンス/竹中優子
【略歴】(たけなか・ゆうこ)
1982年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2016年「輪をつくる」50首で第62回角川短歌賞、第1歌集『輪をつくる』で2022年第23回現代短歌新人賞受賞。同年、第60回現代詩手帖賞を受賞。第1詩集『冬が終わるとき』で第28回中原中也賞最終候補。
【受賞の言葉】
十年前に本格的に短歌を作り始め、それから詩を書くようになり、四年ほど前から小説も書くようになりました。書くことと真剣に向き合って生きていく道を自分の意思で選んで、今この場所にいると思っています。創作活動の中で巡り合った沢山の人々に教わり、競い、傷つけ合ったり支え合ったりしていること、全てが糧になっています。選考に携わって下さった皆様、作品を読んで下さる皆様に感謝します。
[→]受賞者インタビュー 竹中優子/歌人、詩人、小説家の三刀流で
《受賞作》
さびしさは一個の廃墟/仁科斂
【略歴】(にしな・れん)
1994年8月25日、東京都生まれ。オックスフォード大学PPEコース卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科に在籍。
【受賞の言葉】
「さびしさは一個の廃墟」という題名は島尾敏雄のエッセイから拝借した。悪意のある引用である。全文は「アマミの生活の基本的なさびしさは一個の廃墟をも持たないことのような気がする」、否定を肯定にすり換えたと言って過言ではない。でもけっきょく同じだという気がする。一個の廃墟もないことはそれじたいが一個の廃墟だ。この存在そのもののさびしさをただ定着させようとして書いた。奄美もことばも筋肉も借りてきただけである。ただしけっこう誠実に借りたと思う。
[→]受賞者インタビュー 仁科 斂/母語である外国語=日本語
第56回 新潮新人賞 候補作品
ダイジェスト版 | 航也 | |
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ラスコーリニコフは殺せない | 直江典子 | |
ダンス | 竹中優子 | |
ダンサー・イン・ザ・スーサイドフォレスト | 足和田健 | |
さびしさは一個の廃墟 | 仁科斂 |
選考委員
過去の受賞作品
- さびしさは一個の廃墟
- 世界地図、傾く※「gurgle」を改題
- 彫刻の感想