新潮新書
過去・現在・未来、そして現実
2023年、日本の出生率は1.20と過去最低を更新、沖縄県(1.60)や宮崎県(1.49)、長崎県(同)では平均を上回るものの、東京都では0.99と史上初めて1を切り、大きなニュースになりました。
仕事や経済環境、ライフスタイルなど様々な要因を反映していることは言うまでもありませんが、お隣の韓国は0.72とまさしく「レベチ」。先進国はどこも少子化が進んでいるとはいえ、1を切っているのは韓国のみで、その一方、韓国はOECD加盟国の中で自殺率トップです。二つを考え合わせると、国民が「この社会は生きるに値しない」と考えているようにさえ見えます。『韓国消滅』(鈴置高史・著)では、朝鮮半島の"先読みのプロ"が、政治や社会状況の変遷とともに隣国の未来図を鋭く読み解きます。
『軍産複合体―自衛隊と防衛産業のリアル―』(桜林美佐・著)は、注目の防衛問題研究家による渾身のレポート。中国の海洋進出や台湾有事への懸念、北朝鮮によるミサイル開発など、かつてなく安全保障環境が厳しさを増す中、日本の防衛体制にはいくつもの穴があいていて、中でも最大のものが「防衛産業」です。利益は上げられず、輸出もままならず、顧客は自衛隊のみ、その上「死の商人」といった筋違いな批判もありながら、自衛隊と協力してどうにか使命を果たしているさまは、浪花節的でさえあります。隊員の軍手や靴下から次世代戦闘機まで、わが"軍産複合体"のリアルな全体像を描き出します。
『住職はシングルファザー』(池口龍法・著)は、念仏フェスや浄土系アイドルの運営、ドローン仏などメディアで話題の「仏教界の革命児」による前代未聞のドキュメント。周囲の反対を押し切って結婚するも、色々事情あって7年前に離婚。8歳の娘と6歳の息子を抱えて、シングルファザー生活がスタートします。仏事に家事に育児にと、予想外の出来事に目の回るような日々の中、住職と父親の両立にチャレンジ。お坊さんらしくないけれど、やっぱりお坊さんらしい奮闘記に引き込まれます。
伊勢神宮といえば、天照大神が祀られる日本随一の御社、天皇はじめ皇族方や、首相の年頭の参拝・会見は恒例行事となっています。しかし、意外なことに、アマテラスのモデルともいわれる持統天皇を除いては、明治になるまで歴代天皇はこの聖域を訪れていないといいます。皇祖神というのに、不思議な"距離感"、それはまるで何かを避けていたかのようにも映ります。『アマテラスの正体』(関裕二・著)では、古代史研究の鬼才が史料と想像力を駆使して、この謎に迫ります。前作『スサノヲの正体』に続く刺激的な論考です。
仕事や経済環境、ライフスタイルなど様々な要因を反映していることは言うまでもありませんが、お隣の韓国は0.72とまさしく「レベチ」。先進国はどこも少子化が進んでいるとはいえ、1を切っているのは韓国のみで、その一方、韓国はOECD加盟国の中で自殺率トップです。二つを考え合わせると、国民が「この社会は生きるに値しない」と考えているようにさえ見えます。『韓国消滅』(鈴置高史・著)では、朝鮮半島の"先読みのプロ"が、政治や社会状況の変遷とともに隣国の未来図を鋭く読み解きます。
『軍産複合体―自衛隊と防衛産業のリアル―』(桜林美佐・著)は、注目の防衛問題研究家による渾身のレポート。中国の海洋進出や台湾有事への懸念、北朝鮮によるミサイル開発など、かつてなく安全保障環境が厳しさを増す中、日本の防衛体制にはいくつもの穴があいていて、中でも最大のものが「防衛産業」です。利益は上げられず、輸出もままならず、顧客は自衛隊のみ、その上「死の商人」といった筋違いな批判もありながら、自衛隊と協力してどうにか使命を果たしているさまは、浪花節的でさえあります。隊員の軍手や靴下から次世代戦闘機まで、わが"軍産複合体"のリアルな全体像を描き出します。
『住職はシングルファザー』(池口龍法・著)は、念仏フェスや浄土系アイドルの運営、ドローン仏などメディアで話題の「仏教界の革命児」による前代未聞のドキュメント。周囲の反対を押し切って結婚するも、色々事情あって7年前に離婚。8歳の娘と6歳の息子を抱えて、シングルファザー生活がスタートします。仏事に家事に育児にと、予想外の出来事に目の回るような日々の中、住職と父親の両立にチャレンジ。お坊さんらしくないけれど、やっぱりお坊さんらしい奮闘記に引き込まれます。
伊勢神宮といえば、天照大神が祀られる日本随一の御社、天皇はじめ皇族方や、首相の年頭の参拝・会見は恒例行事となっています。しかし、意外なことに、アマテラスのモデルともいわれる持統天皇を除いては、明治になるまで歴代天皇はこの聖域を訪れていないといいます。皇祖神というのに、不思議な"距離感"、それはまるで何かを避けていたかのようにも映ります。『アマテラスの正体』(関裕二・著)では、古代史研究の鬼才が史料と想像力を駆使して、この謎に迫ります。前作『スサノヲの正体』に続く刺激的な論考です。
2024/09