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特集:官能小説フォルテシモ

小説新潮 2009年4月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/03/21

発売日 2009/03/21
JANコード 4910047010497
定価 817円(税込)

【特集:官能小説フォルテシモ】
【巻頭力編百十枚】
◆団 鬼六/夢のまた夢――道頓堀情歌
――復員後の父が溺れたのは、私が童貞を捨てかけた下卑た商売女だった……

◆藤田宜永/通夜の情事
――お前好みの女を紹介する、と約束した直後、個室ビデオ店で旧友は急死した

◆南 綾子/教室のボーダーライン
――もうすぐ三十歳の女教師。一目ぼれした彼は十七歳の生徒
◆三日月 拓/風が止む部屋
――念願の子どもは流れた。妻は人形を抱き、おれは女を抱く
◆衿野未矢/身八つ口
――慣れない着物なら、ほどけないはず。結婚前に彼と会っても
◆中島桃果子/ソメイヨシノ
――自分の目に映る景色が、すべての景色であるはずがない

◆出久根達郎 評者、山本タカト 絵師/「芭蕉」十大弟子の春本
――背後からしたたかものを押し付け…あの俳聖の門下生による官能掌編集

【鉄道紀行 完結編】
◆酒井順子/旧国名駅の女
――四国を舞台に「駅の闇鍋」ツアーを敢行。
これが鉄道旅の最新型!

【新連載スタート】
◆赤川次郎/子子家庭と愛のお荷物
――この赤ちゃんがパパの子!? 大人気シリーズ待望の新作

【好評読切シリーズ】
◆有川 浩/キケン
――奇跡のラーメンを完成せよ。学園祭という名のバトルの始まりだ!!
◆石田衣良/16歳の別れ 6TEEN 最終話
――もうわかったよね。今回はぼくと同じ16歳の高校生が死ぬ話だ
◆北村 薫/異界のしり取り 飲めば都
――いざ、居酒屋! 酒豪の先輩と訪れた店で都さんを待つ因果の歯車
◆三浦しをん/炎
――焦げた土。夏休み最後の日、立木先輩は校庭で焼身自殺した

【傑作時代読切】
◆畠中 恵/けじあり しゃばけ
――佐助に妻がいたってぇ!? おまけに長崎屋の奉公まで辞めちゃって……
◆乙川優三郎/夏草雨
――このまま一生終わると思った。新たな出会いは新たな哀しみか
◆北原亞以子/はこべ 慶次郎縁側日記
――罪悪感から幸せを諦めていたおぶんが、健気な花に目を留めた時

【特集:昭和のアイドルを探せ】
【対談】斉藤慶子×鈴木光司/アイドルはいつも眩しかった
――鮮烈なデビューを飾った女優に人気作家が夢中になった日々

【ルポ】泉 麻人/東京 アイドル聖地巡礼
――東京の達人が案内する、アイドルを生んだ街の「夢のあと」

【アンケート】私のハートをギュッとつかんだ「あのアイドル」
荻原 浩/谷村志穂/出久根達郎/楡 周平/道尾秀介/山本一力
――永遠に変わらぬ熱い気持ち。作家たちが秘めた思いを大公開!

【評論】宇田川幸洋/アイドル映画の時代
――「かわいければいい」から始まった、昭和を彩る美少女映画

【座談会】秋元 康×諸田玲子×山田美保子/ファンほど素敵な商売はない
――百恵に聖子にジュリーにAKB48。アイドル体験の裏と表を語る

【短期集中連載】
◆海堂 尊/マドンナ・ヴェルデ
◆蓮見圭一/永遠の女性 最終回

【連載第二回】
◆貫井徳郎/灰色の虹

【好評連載小説】
平岩弓枝/聖徳太子の密使 最終回
北森 鴻/鏡連殺
重松 清/ゼツメツ少年 最終回
高橋克彦/鬼哭鬼九郎
宮部みゆき/ソロモンの偽証

【連載エッセイ】
阿刀田 高/イソップを楽しむために
嵐山光三郎/文士の舌
柴門ふみ/恋のタネ
太田和彦/居酒屋百名山
佐藤 優/功利主義者の読書術 最終回
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった

第二十一回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第六回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
第十二回「伊豆文学賞」発表
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

フォルテシモ、ピアニシモ
 内輪話をお許し願いたい。今月の特集タイトルを決めるに際して、編集部内で議論があった。「官能小説フォルテシモ」よりも、「官能小説ピアニシモ」のほうがエロティックではないか…。「ピアニシモ」を推すのは多く女性である。安易な一般化は危険だが、男性と女性の感覚の相違が感じられて興味深かった。
 かくて決定した特集「官能小説フォルテシモ」。団鬼六氏の「夢のまた夢――道頓堀情歌」は、大好評を博した「往きて還らず――すみれ館綺譚」の続編である。死地に赴く三人の特攻隊員と、その情人となった女を見送った男。彼の戦後の彷徨を情趣纏綿と描く傑作となった。男性陣は他に藤田宜永氏と江戸春本紹介の出久根達郎氏が練達の筆を揮い、女性陣は対照的に南綾子氏を始め、新鮮な四編。
 さらに特集「昭和のアイドルを探せ」。斎藤慶子氏と鈴木光司氏の対談、ジュリー、百恵、聖子からAKB48まで語り尽す座談会、聖地巡礼、映画ガイドと盛り沢山。


小説新潮編集長 高澤恒夫

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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