ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2010年5月号

特集:風薫る 時代小説 ミステリー

小説新潮 2010年5月号

(毎月22日発売)

特別定価901円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/04/22

発売日 2010/04/22
JANコード 4910047010503
定価 特別定価901円(税込)

【特集:風薫る 時代小説 ミステリー】

集中連載開始! 初回120枚掲載
◆佐々木 譲/警官の条件
──己の信義のために闘う二人が再び相見える。運命の日、予想外の一撃が孤高の刑事を襲った。『警官の血』続編が登場

蓬莱屋帳外控
◆志水辰夫/観音街道
──上総の山村で探し当てた男。折しも炭焼き衆を束ねてお上に楯突く算段の真最中。かつての能無しは強かに変貌を遂げていた

◆宇江佐真理/蝦夷錦 古手屋喜十為事覚え
──人形を背負う虚ろな娘とご禁制の布。二つの美を彩る悲しい記憶

◆蜂谷 涼/飛花
──戊辰戦争の混沌の中、慕う人を追い、女は京から江戸、そして会津へ

◆西條奈加/桜楼の女将
──江戸の料理屋番付で常に幕内の「桜楼」。その女将が、お縄とは…

◆田牧大和/まぼろし一味陰始末
──不穏な空気漂う夕暮れ、屋根に人影あり。日限の奉公人には秘密が…

◆今野 敏/静観
──不祥事が続く大森署。窮地に立たされた竜崎を伊丹は庇おうとするが

◆西澤保彦/呪詛がたり
──亡き兄の怨念が友を殺すというのなら、止める方法はたった一つ

【人気読切連載】
◆畠中 恵/雨の日の客 しゃばけ
──お江戸が水没!? 不思議な珠を持つ鈴彦姫の恩人の正体とは?

【前代未聞! 12ヶ月連続付録・第二回】
◆しゃばけ花札
──仁吉、佐助ファン必見! 子ども姿の二人が初登場です♪

【集中連載】
◆宮木あや子/ガラシャ
──夫の横暴に心を閉ざす玉子を救うのは、もはや異教の神のみ

【集中連載・ノンフィクションノベル】
◆平山 讓/サッカーボールの音が聞こえる 後編
──日本代表に選出された宏幸は、韓国との交流戦のピッチに立つ

◆櫻井よしこ/母と過ごす至福の日々
──大病を患った母がリハビリに挑む姿には、勇気が満ち溢れていた
◆黒柳徹子/小さいときから考えてきたこと
──誰もが知ってる、でも本当の秘密は誰も知らない「徹子のヘア」!?

【独占手記】
◆団 鬼六/残日録・春――我、ガンになりたり
──突然の告知。SMの巨匠が、自らを嗜虐するように下した決断とは?

【新連載開始】
◆谷村志穂/尋ね人
──東京の暮らしに負けて帰郷した李恵に、母が打ち明けた意外な過去
◆荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
──戦国時代の四国。鮮烈に登場した美貌の武将・長宗我部元親の生涯

【連載第二回】
◆池井戸 潤/鋼のアリス
──起業か再就職か…五十二歳でリストラされた寺尾が足を向けた先は
◆西 加奈子/白い徴
──二人で迎えた新しい夜明けに祝福の光はなく、私は狂っていった

【「恋のタネ」リニューアルスタート】
◆柴門ふみ/大人の恋力
──女は50代で本当の恋の扉が開く……。大人のリアルな恋愛事情

【巻頭グラビア】
◆嵐山光三郎/文士の舌 番外編
──大好評連載終了! アンコールでは「文士のおやつ」を集めました

【好評連載小説】
赤川次郎/子子家庭に恋の花咲く 前編
あさのあつこ/たまゆら
飯嶋和一/星夜航行
石田衣良/明日のマーチ
大沢在昌/冬芽の人
白川 道/神様が降りてくる
楡 周平/虚空の冠
貫井徳郎/灰色の虹
宮部みゆき/ソロモンの偽証

【連載エッセイ】
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

第二十三回「山本周五郎賞」候補作品発表
第二十二回「日本ファンタジーノベル大賞」募集要項
第七回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

変わるもの変わらないもの
 今月から、「小説新潮」の編集長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。12年ぶりに月刊誌の編集部に戻ってみて、大きくシステムが変わっていることに驚きました。十年一昔と言いますが、本当にその通りです。とはいえ、新旧変わらないのは、人の営みではないでしょうか。今月の特集は、時代小説とミステリー。江戸戦国の世も現代も、人間は同じようなことで悩み、喜んできたのだと実感します。一年で一番気候のいいこの季節、爽やかな風に吹かれながら、志水辰夫氏や宇江佐真理氏をはじめとする名手たちの技の冴えをゆっくりとお楽しみ下さい。
 今月のもう一つの目玉は新連載。新直木賞作家・佐々木譲氏の代表作、『警官の血』の続編が初回一二〇枚のボリュームでスタート。谷村志穂氏の描くミステリアスな恋、荒山徹氏の本格時代小説も加わって、一気に三本開幕します。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞