ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2010年6月号

【二大新連載スタート】西村京太郎/今野 敏

小説新潮 2010年6月号

(毎月22日発売)

特別定価901円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/05/22

発売日 2010/05/22
JANコード 4910047010602
定価 特別定価901円(税込)

【二大新連載スタート】

◆西村京太郎/阪神間三十六・九キロの殺人
──関西出張中の女性デザイナーが「こだま」の車内で刺殺された。その夫には誰にも言えないアリバイが…。新たな謎に十津川が挑む

◆今野 敏/転迷 隠蔽捜査4
──大森署に相次いで「至急」の無線が入る。遺体発見とひき逃げは、何か関連があるのか? キャリア警察官僚、竜崎シリーズ最新作!

【特集:女は性(せい)男は性(さが)】

◆南 綾子/ステップアウトは減点
──目当ての選手は欠場。失意の追っかけオバサンに意外な出会いが

◆窪 美澄/なすすべもない
──排卵期に激しく欲情する私。でも、最近圭ちゃんは全然してくれない

◆大石 圭/オカメインコ
──夏至の日、わたしは化粧をして電話を待つ。下腹部を疼かせながら

◆蛭田亜紗子/明日の私は私に背く
──欲望の甘やかな毒に耽溺し、新しいセックスを求める私は魔物か

◆乾 ルカ/漆黒
──あの女優と同じ名前の新入社員が見せる、裸体より美しく妖しいもの

【人気読切連載】
◆北村 薫/霧の中の都 飲めば都
──恋はうっかり、結婚は何となく。先輩の指南に都さんが動く!
◆平 安寿子/コーヒー、もう一杯
──カフェ開業or会社員としての安定? 32歳独身女の決断は如何に!?

◆畠中 恵/始まりの日 しゃばけ シリーズ最終話
──長崎屋に火が!? 若だんな、正念場だ!! 付喪神たちを救え!

【12ヶ月連続付録・第三回】
しゃばけ花札
──白塗りお顔のお雛ちゃん、久々の登場だよ!

【集中連載】
◆宮木あや子/ガラシャ
──晴れてガラシャとなった玉子に、むごい運命の時は刻々と近付く
◆西 加奈子/白い徴 最終回
──恋愛に圧倒された私は、『間島直史』の証である白い絵の具を…

【「女による女のためのR-18文学賞」決定発表】

[優秀賞]木爾チレン/溶けたらしぼんだ。
──おとこは汚いから嫌い。けど木山透の絵で私は何度も発情した

[読者賞]彩瀬まる/花に眩む
──私の肌には赤い花が咲く。彼女と出会った夜も、彼の去った朝も

【追悼 井上ひさし】

【インタビュー】角野卓造/劇作家・井上ひさしとの日々
──地獄を見るとは分っていても…主演俳優が語る、抗い難い作品の魅力

【エッセイ】吉里吉里国の地図/佐々木信雄(元「小説新潮」編集者)
──日本に独立国ブームをもたらした名作『吉里吉里人』執筆の舞台裏

【創作秘録】小説「一週間」をめぐるFAX通信
──締切延長の嘆願から世界情勢の分析まで。書斎から発した言葉たち

【連載第二回】
◆佐々木 譲/警官の条件
──敬愛する刑事を告発した和也。男の不在が裏社会にさざなみを立てる
◆谷村志穂/尋ね人
──五十年前に母の前から「消えた」という恋人。捜し出せるだろうか
◆荒山 徹/蓋島伝――長宗我部元親秘録
──父を暗殺した忍びの正体とは――元親の過酷な宿命が動き始める

【日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞第一作】
◆安東能明/第3室12号の囁き
──部下の警官が不正行為を? このままでは自分の立場も危うい

【好評連載小説】
赤川次郎/子子家庭に恋の花咲く 後編
あさのあつこ/たまゆら
飯嶋和一/星夜航行
池井戸 潤/鋼のアリス
石田衣良/明日のマーチ
大沢在昌/冬芽の人
白川 道/神様が降りてくる
楡 周平/虚空の冠
貫井徳郎/灰色の虹
宮部みゆき/ソロモンの偽証

【連載エッセイ】
柴門ふみ/大人の恋力
酒井順子/徒然草REMIX
佐藤 優/落日の帝国 私のイギリス物語
山田詠美/ライ麦畑で熱血ポンちゃん
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負

第二十九回「新田次郎文学賞」決定発表
第七回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

女は性(せい)、男は性(さが)
 本能に従うと一口に言ってみても、その根本は男女でざっくりと分けられるだろう。今回は、「性」に焦点を当てた小説を特集したが、この漢字、読み方を変えれば意味合いも変わる。すなわち、「せい」と「さが」。ご寄稿いただいたのは、南綾子、窪美澄、大石圭、蛭田亜紗子、乾ルカの五氏。そこに、「女による女のためのR-18文学賞」の受賞者二人も加わり、匂い立つような官能の刻が現出した。
 今月も新連載が二本。お待ちかね、西村京太郎氏の「十津川警部シリーズ」と、シーズン4を迎える今野敏氏の「隠蔽捜査」シリーズが開幕。
 先月亡くなられた井上ひさし氏の最後の長編は、小誌に連載された「一週間」だった。氏への追悼特集として、舞台俳優の角野卓造氏と、『吉里吉里人』の担当編集者のメッセージ、「一週間」連載時に担当者に送られたFAX通信の傑作選を掲載。改めて、その存在の大きさを痛感した。ご冥福をお祈りします。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞